Google Workspace によるハイブリッド ワークでの課題への対処
Google Cloud Japan Team
ハイブリッド ワークの課題を Google Meet の機能向上やスペースの導入によって解決
※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
今年 6 月、Google Workspace の 1 つにまとまったコネクテッド エクスペリエンスによってハイブリッド ワークの未来を切り開くための Google のビジョンについて紹介しました。今回は、多数のお客様が自社のハイブリッド化への取り組みに乗り出し始めている現状において、この新しい働き方での課題に対処するうえで Google がどのように役立っているかをご紹介します。
チームでの共同作業専用の場所: スペースの提供開始
スペースは、Workspace でチームによる共同作業を行う際に中心となる場所で、本日よりすべてのユーザーにご利用いただけます。スペースは、カレンダー、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Meet、ToDo リストといった Google Workspace ツールと緊密に統合されている点が特徴的で、トピックごとのディスカッション、知識やアイデアの共有、プロジェクトの推進、コミュニケーションやチーム文化の構築をより効率よく行えます。
お客様に伺った話では、さまざまな場所や業務時間にまたがった働き方が続いており、スペースは、リアルタイムでもそうでなくでも、共同作業の中央ハブとして使用できるとのことです。メールでやり取りを始めたり、ビデオ会議をスケジュール設定したりする代わりに、チームはスペースに直接集まってプロジェクトや議論を進められます。「2022 年のロードマップ計画」について話し合う 10 人のチームや「全社会議」を行う 1,000 人のチームなど、チームの規模を問わず活用できます。
スペースを使用すると、チームはアイデアの共有、ドキュメントの共同編集、タスク管理を 1 か所で行うことができます。すべての作業が将来参照できるよう保存されるため、チームメンバーはそれまでのすべての会話、コンテキスト、コンテンツの履歴を確認したうえで、都合の良いときに気軽に参加して投稿することができます。メンバーが別々のタイムゾーンにいて、仕事のスタイルもさまざまな私のチームでは、すでにスペースが役立っています。新しいチームメンバーをオンボーディングしたり、メンバーが新しい役割に移動した際にやり取りのコンテキストが失われないようにしたり、さまざまな場面で基礎となるナレッジの維持と構造化にスペースがその力を発揮しています。
スペースはまだ始まったばかりのサービスです。今後公開予定の機能について少しご紹介します。
今後数か月以内に公開予定の機能は次のとおりです。
効率的なナビゲーション: 柔軟なユーザー インターフェースによって、受信トレイ、チャット、スペース、ミーティングに 1 か所から簡単にアクセスできるため、重要な最新情報を常に把握できます。
見つけやすいスペース: スペースとそのコンテンツを組織のすべてのメンバーから検出できるように設定可能で、他のユーザーが会話を見つけて参加できるようになります。管理者は、「全メンバーに対し検出許可」を組織のデフォルトとして設定することもできます。
検索の強化: スペース内またはスペース間でコンテンツを簡単に見つけられるだけでなく、新しいスペースを検出して参加することもできます。スペースの「すべて検索」によって、強力な新しい共同作業の可能性が生まれ、チームの共有ナレッジベースにアクセスしやすくなります。
インラインのトピック スレッド: スペース内のあらゆるメッセージに返信できる機能によって、チームや組織間で議論の深化と緊密な共同作業が促進されます。
堅牢なセキュリティと管理の機能: コンテンツ管理とスペース管理のためのツール、およびドメインや会社をまたいだ適切なルールを確立し健全なコミュニケーションを行うためのツールです。
よりハイブリッド環境に合った会議のあり方を可能に
スペースは、会議の土台を作るうえで重要な役割を果たし、場合によっては、チームメンバーが参加する必要のある会議の数を減らすことができます。すべての適切なコンテンツとコンテキストにアクセスできる非同期コラボレーション専用の場があると、チームは会議のスケジュール設定をもっと計画的に行えるようになります。この 1 年半の間に会議疲れを訴える人が増えていることを考えると、これは Google と多くのお客様にとって最重要事項です。しかし、会議を行うことに本当に価値があると感じられるようにするには、さまざまなコラボレーション タッチポイントから会議(またはその逆)に移行するエクスペリエンスをシームレスなものにする必要があります。
チーム全体で機能する会議のスケジュール設定
ハイブリッド ワークでは、多くのチームで作業場所と業務時間が日単位で変わる可能性があります。これについては私自身のチームも例外ではありません。チームメンバーの多くがオフィス内に一緒にいたときは、「オフィス内にいる過半数の人」に都合のよい時間に会議をスケジュール設定していたかもしれませんが、現在は、分散したチームメンバー全員が参加できる会議をスケジュール設定することが特に重要です。
今では、チームメンバーが会議の招待状を承諾するときにオンラインまたは会議室のどちらで参加するかを指定できるだけでなく、カレンダーで各就業日の作業場所を設定できるようになりました。これらの機能を組み合わせることで、会議の主催者とオンサイトのサポートチームは、会議室とオンラインそれぞれの出席人数に合わせて適切な計画を立てることができます。これは、可視性を高め、ハイブリッド チーム全体の予定を把握することにも役立ちます。
自然に生まれる会議を増やす
オフィスの廊下や休憩室で同僚とばったり会って会話が始まり、新しいアイデアが生まれたことはありませんか?週に数日オフィスで仕事することを検討しているチームメンバーが増えている現在、これはもしかしたら私が今一番楽しみにしていることかもしれません。こうした思いがけない会話は、人間関係を構築し、型にはまった会議では出てこないトピックについて学ぶための素晴らしい方法でした。チームメンバーがオフィスに揃っていないときでもこれを簡単に行えるようにするために、モバイル デバイスとデスクトップ デバイスの両方で Google Meet の通話機能を利用できるよう取り組んでいます。この機能は近い将来、まず Gmail アプリ内の 1 対 1 のチャットに導入され、その後他の Workspace エンドポイントにも展開される予定です。近いうちに、私は Gmail 内の 1 対 1 のチャットからチームメンバーと直接通話できるようになるでしょう。チャットから通話を発信すると、Gmail モバイルアプリを実行しているデバイスが鳴るとともに、ウェブブラウザで実行されている Gmail に通話チップが送信されるため、相手はどのデバイスからでも簡単に応答できます。廊下で自然に始まる会話とまったく同じとは言えませんが、ハイブリッド環境における次善の策となるでしょう。
ハイブリッド会議でのコラボレーションの公平性の確保
ハイブリッド会議で、会議室に居合わせているメンバーとリモートで参加しているメンバーが別々の会議をしているような状況にならないようにするにはどうすればよいでしょうか?効果的なハイブリッド会議にするには、同じ部屋に一緒に座っている参加者が、2 つの並行した会話があるように感じることなく、離れた場所にいる同僚とシームレスにやり取りできるような統一されたエクスペリエンスが必要です。
Google Meet のコンパニオン モードは、特にこの課題に対応するように設計されており、11 月からお客様へのリリースが開始されます。コンパニオン モードを使用すると、室内の音声・映像機器を活用しながら、自分のノートパソコンを使って会議室内から会議をホストしたり会議に参加したりすることができます。音声のフィードバックが発生することはありません。この機能を使用すると、自宅から会議に参加しているときと同じように、自分のデバイスでコンテンツを共有したりプレゼンテーションを間近で見たりすることができるだけでなく、会議のチャットやホワイトボードへのアクセス、アンケートの開始や投票、Q&A への質問の投稿も行うことができます。また、会議への参加方法の選択肢を増やすため、年末までに、リアルタイムで翻訳された字幕が Meet とコンパニオン モードで利用できるようになります。現在、英語での会議をフランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語に翻訳できるよう取り組んでおり、今後さらに多くの言語が追加される予定です。
会議用ハードウェアの選択肢と柔軟性を大幅に拡充
コンパニオン モードを使用すれば、会議室内の人たちとリモートの同僚がシームレスにつながり続けることができますが、全員の姿を明瞭に映し出し、音声をクリアに再現できる会議用ハードウェアがなければハイブリッド会議の臨場感や現実感は半減します。Google はこのたび、ハイブリッドな働き方が定着しつつある現在の世界において、人々がつながり合うために欠かすことのできない会議用ハードウェアの柔軟性と選択肢をさらに広げるために、Google Meet ハードウェアのポートフォリオを拡充し、他の会議室ソリューションとの相互運用性を強化する運びとなりました。
その目玉となるのが、2 つの新しいオールインワン ビデオ会議デバイスです。これらの新デバイスは、既存の Series One 会議室向けキットを補完するものです。Series One Desk 27 は 27 インチのオールインワン デバイスで、オフィスや自宅の小さな共有スペースやデスクトップに最適なデバイスです。Series One Board 65 は 65 インチのオールインワン 4K デバイスで、別売りの専用スタンドに取り付ければどこでも自由自在に設置でき、あらゆる部屋やスペースがわずか数分でビデオ コラボレーション ハブに早変わりします。
オフィスでもホームオフィスでも使える新しい Google Meet ハードウェア
さらに、新しいサードパーティ デバイスも Google Meet ハードウェア エコシステムに加わります。このたび新たに Google の認証を取得した Logitech Rally Bar Mini for Google Meet と Logitech Rally Bar for Google Meet は、小・中規模会議室に最適な会議室ソリューションです。Logitech 社の Google Meet 認証取得済み製品について詳しくは、Logitech 社が 9 月 21 日に開催するウェブセミナーをご覧ください。また、Appcessori 社からも、Google Meet ビデオ会議を自動的に開始してモバイル デバイスの音声を大幅に改善する新しいモバイル デバイス用スピーカー ドック「Rayz Rally Pro」が発売されます。
高画質かつ高音質な会議を実現する Google Meet 認証取得済みハードウェアは、設置と管理も容易です。Google Meet ハードウェア ウェブサイトにアクセスすると、Google Meet デバイス ポートフォリオに含まれるすべてのデバイスを見ることができ、認定販売代理店から直接デバイスを購入できます。
Google Meet をご利用の場合、Meet ハードウェアを導入すればきわめて高画質かつ高音質な会議が実現しますが、組織のビデオ通話ネットワーク外の関係者と会議を開催しなければならない場合もあります。そのようなときは、Pexip for Google Meet を使用すれば、代表的なサードパーティ ビデオ会議ソリューションから Meet 会議へシームレスに参加できます。さらに、Cisco 社の Webex デバイスと Google Meet ハードウェアの相互運用も新たにサポートされます。これにより、まもなく Google Meet 会議を Webex ハードウェアで開始したり、Webex 会議を Google Meet ハードウェアで開始したりできるようになります。Meet と Webex の間の相互通話は、Series One Board 65 と Series One Desk 27 をはじめとするすべての Google Meet ハードウェア ポートフォリオに加え、Webex Room シリーズ、Room Kit シリーズ、Desk シリーズ、Board シリーズでもサポートされます。一般提供は年内に開始される見込みです。詳しくはこちらをご覧ください。さらに、Meet ユーザーは近い将来、その他の会議サービスとも相互通話を行えるようになる予定です。
ハイブリッドな働き方の今後
Google Workspace のこうした新しいエクスペリエンスとデバイスをお客様にお届けできることは大変喜ばしいことですが、あらゆる組織にとってハイブリッドな働き方がまだ手探りの状態であるということも Google は認識しています。そこで、ハイブリッドな働き方のヒントとなる 2 つの資料をご用意しました。
Google Workspace チームが最近開設した Future of Work サイト: このサイトでは、働き方におけるあらゆる変化をご紹介しています。
ハイブリッドな働き方が定着しつつある世界に生じたさまざまな課題に対処するには、テクノロジーの導入、職場文化の刷新、物理的空間の有効活用といった対策を組み合わせる必要があります。一方、「ハイブリッド ファースト」のマインドセットを培うには、人々がコミュニケーション、作業、コラボレーションに毎日利用するツールが大きな鍵を握ります。そして Google は、Google Workspace がこの進化において今後も重要な役割を担い続けるものと自負しています。
- プロダクト管理シニア ディレクター Sanaz Ahari