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顧客事例

COVID-19 の影響を受ける現在と収束後の製造業界への支援

2020年5月15日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2020 年 5 月 14 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)はすべての業界に影響を与えており、熟練の現場作業者と複雑なサプライ チェーンに大きく依存している製造業も例に漏れません。全米製造業者協会が行った 2020 年 3 月のアンケート調査によると、製造会社 5 社のうち 4 社は COVID-19 により財政的影響を受けると予測しており、半数以上がオペレーションの仕組みを変える必要があるだろうと考えています。また、サプライ チェーンの混乱を予測している会社は 3 分の 1 以上に上ります。

さらにメーカーは、リモートワークや社会的距離など、従業員が直面する重要な問題への対応を迫られています。メーカーにとって今は、サプライ チェーンとオペレーションのアジリティとデジタル化を高めることが重要な時期です。ここでは、新たな基準でビジネスを再開するのにクラウドがどのように役立つかをご紹介します。

自動化を有効にする

COVID-19 による影響はまだ十分に明らかになっていませんが、多くの工場ではすでに労働力とリソースの減少が生じています。メーカーは、こうした新しい状況を素早く把握する方法に加えて、従業員が現場で安全に作業できる新しい運用手順と、迅速に適応できる自動化への取り組みを策定するという難題に直面しています。

Google の目標は、プロセスの自動化、システムのリモート モニタリング、工場の現場の枠を超えた機能の拡張を実現するツールを提供し、メーカーがこれらの課題に対処できるようにすることです。メーカーは Vision AI を使用して機械学習モデルをトレーニングし、人間の検査官を危険にさらすことなく、商品とプロセスの品質とコンプライアンスを視覚的に検査できます。運用技術(OT)と情報技術(IT)を Google Cloud 経由で接続することにより、オペレータはダッシュボードとパフォーマンス ビューを使用して、特定の機械やプラントをリモートでモニタリングおよび制御することができます。

半導体製造業界のリーダーである GlobalFoundries は、すでに AutoML Vision を使用して、半導体製造プロセスに不可欠な要素であるウエハーマップと走査型電子顕微鏡(SEM)画像のランダム欠陥を検出できる目視検査ソリューションを構築しています。AutoML Vision は、ウエハーとサンプルの欠陥画像を読み取り、カスタマイズされたモデルをこれらの欠陥を検出できるようトレーニングします。AutoML Vision は最初のパスだけで、限られた量のトレーニング データに基づいて画像の 80% を正しく分類しました。このように素早く高精度を達成できたことで、GlobalFoundries はすぐに本番環境に移行してメリットを実現し、スケールアップへとつなげることができました。その後、半導体製造工場の品質と顧客満足度は向上し、すでに手動検査量の 40% を、AutoML Vision を基に構築された目視検査ソリューションに移行することに成功しています。

リモートワークを支援する

メーカーは、Google の高品質で安全なビデオ会議ソリューションである Google Meet を活用することで、現場にいなくても、毎日の会議、トレーニング、オンボーディングを開催できます。また、チームは Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどの G Suite ツールを使用して、ドキュメントをリモートで共同編集できます。さらに、Google Meet は仮想トレーニングや新入社員の安全なオンボーディングにも活用できます。

圧縮空気製品の世界的リーダーの一つである KAESER Compressors は、COVID-19 の影響によりチームを迅速にリモートワークへと変換させる必要に迫られ、G Suite の導入を加速させました。KAESER Compressors の CIO である Falko Lameter 氏は、次のように述べています。「従業員が素早く G Suite を受け入れたことには本当に驚きました。また、クラウドにはメリットがあると確信しています。より多くのメモリ、より良いマシン、機械学習などのより高度なテクノロジーを利用できます。Google Cloud は、これらの分野におけるイノベーションへの取り組みを示しており、今後の Google との連携拡大を楽しみにしています。」

エネルギー ソリューション プロバイダの Viessmann は生産力を維持することができ、G Suite が 48 時間以内に従業員をリモートワークに転向させるのに大きく貢献しました。以降、Viessmann は毎月約 60,000 回の Google Meet 会議を開催しています。さらに Google スプレッドシートは、Viessmann の IT インフラストラクチャの KPI をモニタリングする主要な IT ダッシュボードとして定着しました。Chromebook を選択した最初の製造会社の一社である同社では、従業員のアカウントが Google の最新の認証技術によって安全に保護されており、自宅で安心して作業できるというもう一つの大きな利点を得ることができました。さらに Viessmann は、通常よりも大幅に短い時間で人工呼吸器を開発しました。このプロジェクトに携わるエンジニアは G Suite によって簡単に共同作業や意見交換ができるようになり、G Suite は立ち上げプロセスのスピードアップに不可欠な存在になりました。Viessmann でイントラネットおよびコラボレーション サービスの責任者を務める Alexander Pöllmann 氏は、次のように述べています。「G Suite の通信とコラボレーション インフラストラクチャは自己維持型であるため、私たち一人ひとりの独立性が高まりました。国境やタイムゾーンを越えて、どこからでもデバイスを問わず一緒に作業できるのです。こうした柔軟性により、従業員のアジリティが改善され、結果として幸福度と生産性が高まっています。」

世界最古の印刷機メーカー Koenig & Bauer は、2020 年初頭に G Suite に移行し、チーム間の生産性とコラボレーションを向上させました。COVID-19 の観点から見ると、時宜を得た G Suite への切り替えは、同社の職場のつながりを維持することに大きく貢献したといえます。別々の場所にいるチームは、自宅にいても、ビデオ会議、カレンダー機能、文書処理、スプレッドシート計算などのツールにアクセスでき、ファイルの共有もすべて 1 つのプラットフォームで 1 回のクリックで行えるようになりました[1]。Koenig&Bauer の CIO である Jürgen Tuffentsammer 氏は、次のように述べています。「G Suite に移行する前は、異種混合で非常にコラボレーション性の低い IT 環境であったため、かなりのリソースを消費していました。移行してからは、チームのコラボレーションは改善され、革新的なアイデアをこれまでよりもはるかに迅速に共有でき、実現に向けて行動できるようになりました。」

需要と供給の変動を管理する

COVID-19 パンデミックにより、グローバルなサプライ チェーンと流通チャネルに分断が生じています。現状では以前にも増して、刻々と変化する環境で需要を正確に予測し、供給を最適化するために、複数のソースからのデータを統合してリアルタイムで分析する機能が求められます。こうした機能の提供を目指して設計されたのが、BigQuery などの分析ツールです。メーカーは、スマート アナリティクスと AI を適用することで、より正確に需要を予測し、それに合わせて業務を適応させることができます。

AI は、すべての送料の半分以上を占めるラスト ワンマイル配送の問題を緩和するのにも役立ちます。リアルタイムの気象データと交通量データを使用してルートを最適化する機能や、新しい集荷発生場所を予測するための ML モデルをデプロイする機能により、企業はサービスの質を最大限に高めながら運用コストを最小限に抑えることができます。

IT 費用を最適化する

Google Cloud への移行は、企業がテクノロジーへの支出を最適化し、新しい効率化の方法を見つけることができる重要な手段です。メーカーにとっては、より多くの顧客にサービスを提供し、より多くの問題を解決して、ビジネス全体の適応性を高めることにつながります。Google Cloud は、データコストとインフラストラクチャ コストを大幅に削減するだけでなく、IT 環境全体のパフォーマンス、シンプルさ、スケーラビリティを向上させる可能性を秘めています。  

Google Cloud は「安全性を向上させ、市場の不確実性を乗り越えて、将来に備える」まで、多くの方法でメーカーを支援します。インフラストラクチャのモダナイゼーション、アジリティの向上、サプライ チェーンやオペレーションのデジタル化など、Google はメーカーがパンデミックの最中やそれ以降も完全に稼働できるようにするソリューションの提供に重点的に取り組んでいます。

製造業界での Google Cloud の活用について詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

- By Google Cloud 製造および輸送担当マネージング ディレクター、Dominik Wee


[1] 参照元: Koenig & Bauer Annual Report 2019: https://www.koenig-bauer.com/fileadmin/user_upload/04_Unternehmen/Investor_Relations/Berichte/Berichte_2019/Koenig-Bauer-GB2019_en.pdf

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