MEDITECH、厳しい規制が適用される医療ワークフローに Gemini を統合

Kimberly Hansen
Manager of Corporate Technologies, MEDITECH
※この投稿は米国時間 2025 年 3 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
スナップショット:
Gemini を活用することで、従業員 1 人あたり週 7 時間を節約
チームメンバーがより戦略的なプロジェクトに集中できるようになり、仕事の満足度が向上
Gemini の要約機能により、複雑な業界情報への迅速かつ簡単なアクセスが可能に
これまでの経緯
電子医療記録(EHR)プラットフォームは、当初は非常に複雑で扱いが困難であったため、巨大なサーバーを維持するリソースがある組織でしか使用されていませんでした。現在、こうしたプラットフォームは迅速な意思決定を可能にするツールとして、医療チームにとって不可欠な存在となっています。MEDITECH は、医療機関をサポートするエンタープライズ EHR ソリューションを 23 か国以上で提供しており、4 床程度のケア施設から数千もの拠点を擁する統合医療ネットワークに至るまで、あらゆる規模のお客様をサポートしています。お客様の規模を問わずサービスを提供するためには、社内全体で効率的かつ簡単にコミュニケーションをとれる必要があります。2012 年、当社は戦略的に独自のコラボレーション スイートからクラウドベースのソリューションである Google Workspace に移行しました。Workspace には働き方を変革できる可能性があることと、チームメンバーがすでに個人的に使い慣れていたこともあり、この技術的な転換を受け入れました。それ以来、当社は Workspace とともに著しい成長と進化を遂げています。

MEDITECH が Gemini と Google Workspace で生産性と効率性をどのように向上させているかをご覧ください。
Google Workspace と Gemini への移行
私は MEDITECH に 30 年在籍しており、スタッフの成功に欠かせないツールを整備する任務を担っています。生成 AI を社内のワークフローに統合することへの関心が高まるにつれ、その選択肢を検討することが私の役割となりました。当社のエコシステムに新しいテクノロジーを導入することは、業界の規制が厳しい性質上、特に複雑です。また、当社はデータのプライバシーとセキュリティに関する規制を遵守することに尽力しています。Gemini は Google との BAA の適用範囲内のサービスです。つまり、内部データは非公開であり、AI モデルのトレーニングに使用されることはありません。このような保証があるため、Gemini を選択することに迷いはありませんでした。
Google Cloud プレミア パートナーである Onix と緊密に連携をとり、さまざまなチームや部門にまたがるユーザーのトライアル グループを編成して Gemini の展開を開始しました。このトライアル グループには、さまざまな責任分野を代表するユーザーが参加し、それぞれがテストしたいユースケースを持ち寄りました。トライアル期間中、Onix はこれらのユーザーをサポートするうえで重要な役割を果たしてくれました。同社は、学習のヒントやコツ、トレーニングやトランスフォーメーション ワークショップの記録を提供するための専用の Google サイトを用意し、Gemini の活用方法の限界を押し上げたのです。
当社のチームは、各部門のユースケース、Gemini の機能に関する具体的なフィードバック、テストの結果を記録するためのスプレッドシートを作成しました。会議中のメモ取りや、メールやドキュメントの作成や修正といった手作業を減らすことで、従業員 1 人あたり週平均 7 時間を節約できることがわかりました。Google Meet の通話を自動的に要約する機能は、チーム全体で時間を節約できる一般的なユースケースの一つです。
また、Gemini を使用して、業界動向などの最新情報をチームに提供しています。当社は、コンプライアンス要件や潜在的な機会に先手を打つため、新しい医療規制や業界調査を常に確認しています。現在、従業員は Gemini を使用してニュースを迅速に集約、要約し、Google Chat を通じてそれらを配信しています。これにより、すべてのチームが十分な情報に基づいて、お客様にとって最善のソリューションを構築できる準備を整えることができます。


今後の対応
Gemini のトライアルの結果を経営陣に見せたところ、社長兼 CEO は迷うことなく「Gemini を採用するのは正しい判断だ」と述べました。それ以来、Gemini を組織全体に展開することができ、新たなユースケースを日々目にするようになりました。先日、当社のある開発者が、自分自身との Meet 通話をスケジュールし、新しいアイデアを声に出して Meet に話しかけていると教えてくれました。Gemini に通話のメモを取るようリクエストすれば、通話の終了時には、自分の考えが要約され、整理された状態になっているそうです。
こうした単調な作業を自動化でき、イノベーションに集中できるようになったことで、チーム全体で仕事に対する満足度が高まりました。このエネルギーが当社のサービスに反映され、お客様をサポートする新たな方法が充実していくことを考えると、今から楽しみでなりません。
-MEDITECH、コーポレート テクノロジー担当マネージャー Kimberly Hansen 氏