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顧客事例

前例のない時代に、ウクライナ第 4 位の銀行が Google Workspace を活用している方法

2023年11月1日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 10 月 13 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

Ukrgasbank はウクライナにおける特異な銀行です。当行は環境的に持続可能なプロジェクトへの融資に重点を置いており、ウクライナに設置された再生可能エネルギーの 2 メガワットごとに融資を行っています。資産額においてウクライナで 4 番目に大きな銀行として約 90 万人の個人顧客と 300 万の法人顧客および小口顧客にサービスを提供し、全国 152 拠点に 250 の支店を擁しています。

パンデミックが発生したとき、私たちは効率的で信頼性の高いコミュニケーションとコラボレーションを維持しながら、従業員の安全を確保したいと考えました。その後、ロシアによるウクライナ侵攻によって数百万人が避難し、全員がまったく異なる生活と労働を強いられました。この困難な環境で事業を継続する中で、リモート コラボレーションの重要性がさらに高まったのです。IT 部門のディレクターとして、Google Workspace で探していたものを見つけられたことを嬉しく思っています。     

費用を削減しながら継続的にコラボレーションを可能にする

当行では約 1,700 人の従業員がキーウの本店以外で勤務しており、リモート / ハイブリッド ワークの出現により、全員がシームレスにコラボレーションできる方法を見つける必要がありました。非常に多くの従業員が点在しており、社内データの一部(少なくとも 30 TB のユーザーデータ)が、一元的なバックアップにより保護されることなくユーザーのパソコンに保存されていることが判明しました。計算により、このデータの約 90% をクラウドに移動できる可能性があると判断しました。

この課題に対処するために、2020 年の夏に異なるクラウド プロバイダと 2 つのパイロット プロジェクトを立ち上げました。役割に関連するツール、メールとネットワーク ストレージの量、情報セキュリティとデータ保護の要件に応じて、すべてのユーザーを 5 つのプロファイルに分類しました。

両方のパイロットについて包括的に検討した結果、エンドツーエンドの暗号化、一元化されたデータベース、スムーズな通信を提供しているというだけでなく、経済的な理由からも Google Workspace を選択しました。クラウドベースの作業およびコラボレーション プラットフォームへの移行により、総ストレージ コストを少なくとも 14% 削減できました。事実上無制限のサイズの Google メールボックスとクラウド ファイル ストレージを加えると、削減額は 25%~30% になります。  

新しい働き方をシームレスに切り替える

2020 年 12 月末までに、当行はデプロイにおける支援を得るために、独立国家共同体および東ヨーロッパの付加価値 IT ディストリビューターであるパートナーの Softprom と共同移行プロジェクトについて合意しました。そしてベーシックからエンタープライズまで、さまざまな種類のライセンスを 4,000 個購入しました。  

移行の規模を考慮して、当時 8 人の専門家で構成されていたヘルプデスク サポートチームに過負荷がかかるのを避けるために、段階的に移行することにしました。また、直面する最大の課題は、従業員がツールを変更することに消極的であることだと予測しました。移行プロジェクトの開始時には、こうした事態を考慮する必要があり、導入促進のために「チェンジ エージェント」のトレーニングを行いました。エージェントは Google Workspace のサービスに慣れ、移行時にヒントやアドバイスを提供して同僚を助けました。

このロールアウトは、コミュニケーションとコラボレーションに関して最も高いニーズを持っている監査役会のメンバー、支店長、部門長、およびその代理人から始まりました。Softprom は GmailドキュメントスプレッドシートMeet の設定と使用に関する必須の教育ウェビナー シリーズを開発し、約 1 年かけて Ukrgasbank の 40 以上の部門の移行が実現しました。

Google Workspace に切り替えた今、以前のやり方に戻ることは考えられません。クラウドは柔軟性と拡張性を与えてくれます。従来のシステムに新しいユーザーを追加するには、サーバーとライセンスを購入する必要があり、時間と費用の両方がかかりました。Google Workspace なら、数回クリックするだけで新しいユーザーをオンボーディングできるため、従業員をすぐにトレーニングして稼働させ、これまで不可能だった方法で業務を拡大することができます。

あらゆる困難に対抗してセキュリティを維持する

セキュリティはどの銀行にとっても懸念事項です。当行も例外ではなく、お客様の個人情報と資金を保護する必要があります。Google Workspace に切り替える前は、データ侵害を防ぐために、すべての従業員のデバイスにウイルス対策ソフトウェアとスパム対策ソフトウェアをインストールしていました。Google Workspace を使用するようになってから、これらのサービスは不要になりました。ただし、スプーフィング攻撃やスパムとさらに戦うために、DKIM、ドメインベースのメッセージ認証、レポート、適合性(DMARC)レコード、および送信者ポリシー フレームワーク(SPF)を介したデジタル署名による送信メッセージの認証を設定しました。現在、最も疑わしいメールは自動的に処理され、エンドユーザーに届くことさえありません。

現在のウクライナは不安定かつ不確実な状況にあり、お客様の身元を確認することがこれまで以上に困難になっています。当行では現在、お客様が慣れている方法でサービスを提供し続けるために、Google Meet を使用してビデオ通話によるリモート確認を行っています。

今後は、フォームをアンケートに使用し、Google サイトで社内ウェブサイトを作成することで、Google Workspace を最大限に活用する予定です。最も重要な計画として、遠隔地にいても効果的なコラボレーションとコミュニケーションを継続します。そしてもちろん、ウクライナの誰もが持続可能なエネルギーにアクセスして手頃な価格で利用できるよう、引き続き取り組んでいきます。繁栄するグリーン エネルギー市場を創造することで、すべての人々の生活の質の向上、より良い環境、そしてより良い未来に貢献することを目指しています。


- Ukrgasbank、情報技術担当ディレクター Vladyslav Voloshyn 氏
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