リモートワーク、オフィスワーク、ハイブリッドも、コード不要のアプリで簡単に管理
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 25 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
オフィス業務の再開が進んでいますが、ビジネスはこれまでの 1 つの慣習を維持しているわけではありません。多くの企業が、従業員の勤務時間を自宅とオフィスに分けるハイブリッド モデルを採用しています。100% リモートワークにしている企業や、従業員全員をオフィスに戻してデジタル化により重点を置いている企業もあります。
どのモデルを採用するにせよ、一つ確かなことは、組織がよりスマートで効果的な作業を行うことができるようにするためには、テクノロジーがこれまで以上に重要な役割を果たすということです。特に、企業は特定のビジネスニーズに合わせてカスタマイズできるテクノロジーを必要としています。たとえば、小売店のマネージャーが衛生管理を改善する方法を必要としている場合や、オフィスの従業員がデスク予約を管理するためのアプリを作成する必要がある場合などです。
Google Workspace では、AppSheet を使用したカスタムアプリの構築や自動化など、必要な作業をすべて 1 か所にまとめて実行できます。Google Cloud のコード不要の開発プラットフォームである AppSheet を使用すると、プログラミング経験のない従業員でも、カスタムアプリの構築や自動化を通じて時間と人材を節約できます。
AppSheet を使用したソリューションの構築は、従来のコーディングよりも簡単かつ迅速に行うことができます。AppSheet は、Google の機械学習の専門知識を活用することで、アイデアからソリューションへの移行を加速させ、今日の状況に求められるスピードとアジリティに適合できるようビジネスを支援します。この記事では、AppSheet を使用して、ビジネスニーズの変化に対応するためにカスタム ソリューションを作成する方法についてご説明します。代表的な例として、多くのビジネスが直面しているユースケース(会議室やその他のオフィス リソースの予約と管理)に焦点を当てます。ただし、このプロセスは店頭受取用アプリからインシデント レポートのアプリまで、さまざまな用途に簡単に適用できます。
アプリを使用して簡素化と一元化を実現する
最初に考慮すべきことは、カスタム インターフェースを通じてソリューションを管理することが最適であるかどうかです。検査や在庫追跡などのプロセスを簡素化する場合や、リソース ポータルやイベント カレンダーなどの情報を一元化する場合は、カスタム アプリケーションを作成することが最適な選択肢です。
このサンプルアプリでは、バックエンド データを保持するための簡単な Google スプレッドシートを作成しました。データ量が急激に増加しないことがわかっている場合、特にオフィスやユーザー グループでまずパイロット運用を実施する場合、Google スプレッドシートは理想的なバックエンド データソースになります。必要に応じて、データはスケーラブルな Google Cloud SQL データベース、その他のデータベースにいつでもシームレスに切り替えることができます。
このサンプルアプリには、さまざまな建物、部屋、チェックポイント、人(役職を含む)を管理するためのワークシートがいくつか含まれています。
[ツール] > [AppSheet] > [アプリを作成] を選択すると、AppSheet で直接アプリケーションを作成できます。
アプリを作成すると、接続したデータの概要、データの各要素の相互関係、ユーザーに表示されるビュー、アプリのライブ インタラクティブ プレビューが表示されます。アプリの調整は、直感的に操作できます。たとえば、キーワードを入力すると、AppSheet にさらにカスタマイズできる適切な機能オプションが表示されます。住所や場所のデータがある場合は、自動的にマップビューに変換されるので、そこからさらにカスタマイズできます。
Google のオフィス管理アプリを使用すると、ビル管理者と清掃者は機器、消毒スケジュール、メンテナンス情報を管理するための機能を利用できます。また、従業員が稼働率を確認したり、デスクや機器を安全に予約したりするためのビューも利用可能です。
アプリでオフィスを開いてから部屋を開くと、その部屋のフロアプランと、部屋内のスペースおよび機器の使用・予約状況が概要として表示されます。
ユーザーは、イントラネットでフォームやページを検索したり、仕事用のコンピュータにログオンしたりしなくても、アプリでスペースや機器を予約できます。予約は AppSheet の自動化ルーティンであり、トリガーされると事前構成されたアクションを実行します。
上述のスクリーンショットに示すように、アプリのボタンを押す、QR コードをスキャンする、RFC タグをタップするなどしてアクションをトリガーすると、アクションによって「予約者」列と「予約場所」列が現在のユーザーとタイムスタンプに設定されます。
自動化で効率化を図る
最近、AppSheet Automation の一般提供が開始されました。この機能を使用すると、繰り返し発生するタスクを削減し、プロセスをさらに効率化することができます。
この例では、ユーザーが使用後にデスクやリソースを空き状態にするのを頻繁に忘れてしまうという課題に直面する可能性があります。つまり、管理者が使用中のデスクやリソースをすべて空き状態にするまで、それらのデスクやリソースは使用中のままになります。しかし、デスクやリソースをすぐに空き状態にしないことも重要です。次のユーザーが利用する前に、まず清掃して消毒する必要があるためです。
AppSheet Automation を使用すると、4 時間以上使用中になっているすべてのリソースが定期的にチェックされ、それらを再予約するか、清掃して空き状態にするように促す通知がユーザーに送信することで、この課題を解決できます。ユーザーから回答がない場合は、自動化によってリソースの清掃がトリガーされ、その後リソースは空き状態になります。
上述のプロセスを繰り返し発生するイベントとして構成し、ユーザー入力(または入力不足)に基づいて通知を送信してアクションをトリガーする bot を作成できます。
複数の役職に合わせて最適化する
1 人のユーザーのためにアプリを作成することと、複数のタイプのユーザーのニーズに合うアプリを作成することには大きな違いがあります。AppSheet では 1 つのアプリに複数の役割を盛り込めるため、この種の複雑さに対応できます。
たとえば、Google のオフィス管理アプリでは、オフィス管理者は特定のビューとダッシュボードを表示でき、オフィス内の従業員は自分のビューと機能を前面と中央に表示できます。これにより、1 つのアプリですべてのタイプのユーザーのタスクを自動化できます。
同様に、AppSheet Automation を使用すると、データのリアルタイムの変更に簡単に対応する、ユーザーのグループに通知を送信する、アプリとユーザー間で共有されるデータを使用して追加のワークフローを開始するといったことが可能です。たとえば、あるグループが重要な会議を行うために会議スペースを急遽予約する必要がある場合、複数のユーザー グループ全体に影響が及ぶ場合があります。これらすべての更新とインタラクションを自動化できるため、結果的に多くの時間と労力を節約できます。
AppSheet は、QR コード、NFC、Bluetooth センサーの統合など、高度な機能もサポートしています。これにより、ユーザーは場所やワークスペースにチェックインすることができ、オフィス内の支障のない移動とコラボレーションを支援するタスクがさらに効率化されます。
ミッション クリティカルなソリューションを迅速に提供する
今までは、この記事でご紹介しているアプリを構築するのであれば、中央データストア、特定のユーザー グループへの配信、管理機能とダッシュボード機能、NFC や画像キャプチャのためのスマートフォン センサーの統合が必要になっていたはずです。また、大規模な実装プロジェクトとコード作成の専門家チームも必要になっていたでしょう。
しかし、AppSheet ではコードを使用しないため、数か月、数年もの時間を費やすことなく、数時間または数日でこれらの要件を効果的に設計し、実装できます。変更を加える場合は、新しいバージョンをユーザーに push するなど、任意のブラウザで即座に行うことができます。AppSheet では、あらゆるナレッジ ワーカーがアプリの構築とデジタル自動化を行えます。堅牢なセキュリティとガバナンス制御も備わっているため、従業員をオフィス勤務に戻すための管理を行う際に IT セキュリティが疎かになってしまうこともありません。
AppSheet.com で、無料の back-to-the-office アプリをぜひお試しください。また、サンプルアプリを検索してコピーすることもできます。
-ソリューション エンジニア Tyler Ayers