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リサーチ

高等教育機関で全面的なデジタル化が必要とされる理由: BCG と Google の調査

2021年9月27日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

高等教育機関で全面的なデジタル化が必要とされる理由

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大以降、18~24 歳の年齢層に該当する学生の大多数にとって、ハイブリッド授業環境はあたりまえになりました。感染が収束してもこの傾向は続くでしょう。そして、実はオンラインでも効果的な学習は可能であることが明らかになった今、非常に多くの成人学習者が、仕事と家庭生活に適応するオプションを探し求めています。クラウド テクノロジーを実装して成熟したデジタル環境を用意できた高等教育機関は、将来の混乱に備えつつ、イノベーションを進めながら進化する学生の要望に対応できます。

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デジタル成熟度

2021 年 2 月と 3 月、Boston Consulting Group(BCG)は Google と提携して米国の高等教育機関の指導層を対象にアンケートを実施し、高等教育機関でのデジタル成熟度に関する見解を調査しました。このアンケートで、教育機関の指導層と技術担当者は、デジタル トランスフォーメーションを成功させ最終的に成熟したデジタル環境を実現するために必要なこととして、「従来の IT システムをクラウドに移行する」、「データを一元化して統合する」、「高度な分析の利用を増やす」ことに対して「強くそう思う」と回答しました。

では、デジタル成熟度とは具体的に何を意味しているのでしょうか。デジタル成熟度とは、デジタルでの提供を通じて価値を創出する組織の能力の尺度であり、大規模なイノベーションを促進する次の 3 つの分野の技術的進歩に着目したものです。

  1. クラウド インフラストラクチャの使用

  2. データへのアクセス拡大

  3. データを利用した人工知能や機械学習(AI / ML)などの高度な分析によるプロセスの改善

大学の指導層は「デジタル成熟度を優先事項とする」ことに対して「そう思う」と回答しており、自校を「デジタル パフォーマー」または「デジタル リーダー」とみなしているという回答は 55% を超えていました。しかし、これらの大学の技術担当者が自校でデータ分析を定期的に使用していると答えた割合は 25% にとどまりました。高等教育機関は、企業や行政機関と同様に、技術的なイノベーションを妨げる次のような障壁に直面しています。

  • 変革のための目標の優先順位が定まっておらず、意思決定が一本化されていない

  • 予算の制約

  • 変化への抵抗感

  • 技術スタッフのスキル不足

それでも、組織の硬直性を克服するには、組織全体にとって何が最善かという明確な目標指向のビジョンが必要だということを、指導層は理解しています。Google で定義したデジタル成熟度に到達している学校はほんの一握りしかありませんが、その例は他の学校にとって大きな参考になり得ます。自校の改革を成功させた高等教育機関の指導層から学ぶ重要ポイントを紹介します。

デジタル ソリューションは学生生活を多くの方法で改善できる

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デジタル化の能力は、入学者減少とコスト上昇に効果的に対処するための鍵を握っています。高等教育機関の指導層は、パフォーマンスの向上に不可欠な 4 つの目標を見出しています。

  1. 学生生活の改善

  2. 運営上の効率の向上

  3. 高度な研究におけるコンピューティング能力のスケーリング

  4. 教育方法の変革

調査の結果、テクノロジーへの投資は、学生の募集と保持、デジタル教育の促進、政府の財政援助、卒業生からの寄付の面で、学生生活を充実したものとすることがわかりました。デジタル成熟度を高めた教育機関は、社会規範の変化、学生の要望の進化、将来の混乱に合わせた教育を、より俊敏かつ効率的に提供できます。アンケートの参加者は、今後 3 年間でクラウドの使用を 50% 以上増やす計画があると回答しました。従来の IT システムをクラウドに移行することで、スケーラビリティの向上、所有コストの削減、運用におけるアジリティの改善を実現しながら、より安全な長期的データ ストレージ ソリューションを提供できます。

クラウドネイティブの Software as a Service(SaaS)ソリューションは、優れたデータ一元化プラットフォームを提供します。しかし、従来のシステムをクラウドに「リフト&シフト」しようとしても、データ統合とコスト削減の面で目に見える改善を達成するには課題が生じる可能性があります。データの一元化とクラウドへの移行は同時に行われるわけではないということを、高等教育機関の指導層は認識する必要があります。

指導層が明確なビジョンとコミットメントをはっきりと伝えることができれば、テクノロジー変革の成功度が高まります。より効果的な募集などの具体的なニーズにビジョンを結び付けることによって、テクノロジーへの投資から得られるリターンが大きくなります。高等教育機関の責任者は、目標とするパフォーマンス成果に基づいて、移行するシステムの選択と移行のタイミングや方法を決定する必要があります。

大きなビジョンを実現するには小さなステップの積み重ねが必要です。デジタル成熟度の向上に向けた取り組みを始める方法としては、小規模なパイロット プロジェクトが適しています。大きな変革に向けた小さなステップの積み重ねによって、変化に対する抵抗が緩和され、前進するはずみがつき、学生の活動にも良い影響を及ぼすことができます。レポートの全文はこちらからお読みいただけます。Google Cloud のエキスパートに相談したい場合、こちらからご連絡ください

-Google Cloud エデュケーション ヘッド Steven Butschi
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