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AI と機械学習

プロンプトを超越する: 質問を活用してさらに有用なプロンプトを作成する

2025年2月20日
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Pooja Jain

Customer Engineer, Google Workspace

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※この投稿は米国時間 2025 年 1 月 31 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

「プロンプトを超越する」へようこそ。このブログシリーズでは、Gemini for Google Workspace を最大限に活用するための実用的なヒントを解説します。この投稿では、カスタマー エンジニアの Pooja Jain が以下を行う方法をご紹介します。

  • 高度にカスタマイズされた回答を生成する Gemini Advanced に対してプロンプトを作成する

  • 人間が質問する作用をエミュレートすることで、より充実した関連性の高い出力を生成する

Gemini との会話は、知識がきわめて豊富な友人とやり取りするようなものです。友人との会話では、質問して、考えや意見を出し、ときにはさらに質問して、考えを膨らませていくと思います。これが質問ベースのプロンプト(QBP)の概念であり、Gemini とのやり取りをさらにパーソナライズされた、動的で、コンテキスト アウェアなものにするための技法です。丁寧に作成された一連の質問を使用することで、調査や問題解決の際に、Gemini がより高度な回答を生成できるようになります。

より良い結果を得るために Gemini とのやり取りで質問を活用する方法

プロンプトのアプローチが一般的であったり、広範囲であったりすると、回答があいまいになる可能性があります。これを回避するには、プロンプトをもっと絞り込んだ扱いやすい複数の質問に分けます。

たとえば、「世界経済について何か教えて」と質問すると、広範な概要が生成されます。

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「2024 年第 2 四半期に米国の経済動向に関わった要素は何?」のように絞り込んだ質問をすると、もっと詳細で具体的な回答が生成されます。

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質問を絞り込むことで、Gemini の焦点がトピックの特定の範囲に置かれるので、データやアイデアをより正確に探索できるようになります。

プロンプトとして的を絞った質問をするメリット:

1. 明確性: 質問に明確な言葉を使うことで、方向性が明瞭になり、Gemini が関連性の高いコンテンツを簡単に生成できるようになります。

2. 焦点: 具体的な質問により、Gemini の焦点がトピックの特定の側面に置かれるようになり、あいまいな回答や広範すぎる回答を回避できます。

3. コンテキストの理解: 質問は、尋ねている内容のコンテキストを Gemini が理解するのに役立ちます。これは特に、複雑なトピックや微妙な意味合いのあるトピックの場合にあてはまります。

4. 創造性と問題解決: 的を絞った質問によって、回答の創造性と革新性を高めることができます。これは特に、ブレインストーミング、ストーリーテリング、批判的思考の領域であてはまります。

実践:

ご自身で詳細な質問を作成する練習もできますが、プロンプトとして使用可能な質問を自己生成する Gemini の機能を利用することもできます。たとえば、Gemini に次のような質問をしました。「起業する新しい会社のビジネスプランに改善を加えるために尋ねるべき重要な質問は何?」

Gemini から得た回答と質問は次のとおりです(ご自身の結果は異なる可能性があります)。

ビジネスプランに改善を加える際には、次のような重要な項目を自問してみてください。

市場分析と戦略

  • 市場検証:

    • ターゲット市場のニーズと課題を十分に検証できているか

    • ターゲット ユーザーに対して価値提案が明確で説得力を持っているか

    • プロダクトとサービスを競合他社とどのように差別化するか

  • 競合分析:

    • 直接的に競合する会社と間接的に競合する会社はどこか

    • それらの会社の強みと弱みは何か

    • 競争上の優位性を獲得するためにビジネスをどのよう展開していけばよいか

  • セールスおよびマーケティング戦略:

    • どのような市場開拓戦略にするか

    • ユーザーの獲得と維持をどのように行うか

    • ターゲット ユーザーに対して最も効果的なマーケティング チャネルはどれか

    • どのような価格戦略にするか、その価格戦略は価値提案に沿っているか

財務予測

  • 収益源:

    • 第 1 と第 2 の収益源は何か

    • 収益予測にはどの程度現実性があるか

    • 収益予測に考えられるリスクは何か

  • 費用構造:

    • 固定費用と変動費用を含め、発生する可能性のある費用すべてを特定したか

    • 費用予測は正確で控えめに作られているか

    • 収益性を向上させるために費用構造をどのように最適化できるか

  • 資金調達の必要性:

    • ビジネスを立ち上げて運営するために、いくらぐらいの資金調達が必要か

    • 資金調達元はどこか、それぞれの調達元の条件は何か

    • ビジネスの目標を達成するために、どのように資金を使うか

運営計画

  • チームと人材:

    • ビジネスプランを実施するのに適切なチームを適切な場所に配置しているか

    • チームにどのようなスキルや経験のギャップがあるか

    • 優秀な人材の募集、採用、維持をどのように行うか

  • 運用とプロセス:

    • 運用プロセスは効率的で拡張可能か

    • 在庫、サプライ チェーン、ロジスティクスの管理はどのように行うか

    • 品質検証とカスタマー サービスはどのように計画しているか

  • リスク管理:

    • ビジネスに考えらえるリスクは何か、それらのリスクをどのように軽減するか

    • 予期せぬ問題が生じたときのために、緊急時対応計画を立てているか

法律と規制に関する考慮事項

  • 法的事業形態:

    • ビジネスに最適な法的事業形態はどれか(個人企業、合同会社、株式会社など)

    • 選択した法的事業形態では税務上どのような影響があるか

  • 許可と免許:

    • ビジネスの運営にはどのような許可や免許が必要か

    • 業界の規制や標準をどのように遵守するか

  • 知的財産:

    • 所有している知的財産(特許、商標、著作権)を保護する必要があるか

    • 知的財産権の履行をどのように行うか

Gemini が具体的で有意義な質問を提案してくれました。この中から関連性の高い質問、あるいはすべての質問の回答を Gemini に求めることができます。

質問をプロンプトとして使用する、Gemini との自然なやり取りによって、さらなる探索が必要な情報や項目にあるギャップを特定しやすくなります。このプロセスで、Gemini は推論プロセスを進めるための副次的な質問を「自問」し、質問の複雑さに応じて回答に何度も改善を加えていきます。人間が質問する作用を模倣した QBP は、Gemini がより充実した関連性の高い出力を生成する助けとなります。


-Google Workspace、カスタマー エンジニア Pooja Jain
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