Google Workspace with Gemini におけるエンタープライズ セキュリティの管理

Stephanie Chan
Security Product Marketing Manager
Adam Gavish
Senior Product Manager, Google Workspace
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SIGN UP※この投稿は米国時間 2025 年 7 月 17 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。
生成 AI ソリューションの導入を検討するにあたり、当社が最優先した要件はセキュリティでした。複数のプラットフォームを比較検討した結果、当社のセキュリティ要件をすべて満たしていたのは Gemini でした。私たちがすでに使用していた Workspace のセキュリティ設定がすべて継承され、データ、プロンプト、作業がテナント内に保持されることがわかり、安心して生成 AI を全社に安全にデプロイすることができました。」- Equifax、デジタル従業員エクスペリエンス担当バイス プレジデント、JK Krug 氏
生成 AI はユーザーの日常生活に織り込まれ、生産性、イノベーション、利便性を高めるために欠かせないツールとなっています。その重要性が叫ばれ導入が急速に進む中、データ セキュリティとプライバシーのリスクに対する懸念が浮上するのは当然のことでしょう。機密データを保護するために、生成 AI のインフラストラクチャ、データ ガバナンス ポリシー、セキュリティ管理を評価することは必須の要件です。
Google Workspace with Gemini はエンタープライズ セキュリティに対応しています。まず、Gemini は顧客データを機密扱いとして保持し、HIPAA や FedRAMP High などの多様な規制フレームワークへの準拠に対応します。次に、Gemini は多層防御戦略によりプロンプト インジェクション(AI システムに対する新たな攻撃ベクトルの一種)を軽減するよう構築されています。そして、Workspace にはユーザー アクセスとデータ セキュリティをきめ細かく制御する機能が組み込まれているため、管理者は Gemini アプリ、Gemini in Workspace アプリ、NotebookLM などの AI ツールを組織全体に安全かつ確実にデプロイできます。では、これらのセキュリティ管理策について詳しく見ていきましょう。
データの保護
機密データの保護は最重要事項です。Gemini は、Workspace にすでに実装されているデータ セキュリティ対策をシームレスに取り入れ、不正アクセスやデータ引き出しの防止を図ります。
Google ドライブの共有の信頼ルールを作成、管理: ドライブ共有の信頼ルールを使用して内部と外部のユーザー間でデータを共有する方法を制御することで、Gemini のアクセスを制限できます。Gemini はユーザーがアクセスできるデータしか取得できないので、このルールによって Gemini が取得できるデータを制限できます。
ドライブのインベントリ レポートで Gemini のデータアクセスを把握: 管理者はドライブのインベントリ レポートを利用して、データがどのように分類され誰がアクセスできるか、どのように使われているかを包括的に把握できます。
IRM 制御を適用して Gemini から機密データへのアクセスを制限: データ損失防止(DLP)ポリシーにより、機密性の高いファイルに Information Rights Management(IRM)制御を適用できます。IRM が適用されている場合(ダウンロード、印刷、コピーの禁止など)、Gemini は保護のかかったファイルを取得せずに回答を生成します。
クライアントサイド暗号化を適用して、Gemini が機密データにアクセスできないようにする: 最高レベルのデータ保護を提供するために、クライアントサイド暗号化(CSE)を使用できます。CSE を有効にすると、許可されていない第三者は保護されたデータを解読できません。この第三者には、Google や Gemini などの生成 AI アシスタントも含まれます。


データ損失防止(DLP)ルールを作成・管理する管理コンソール UI。Google ドライブのすべての共同編集者に対して、「ダウンロード、印刷、コピーを無効にする」というルールを構成している。
AI の使用状況の把握
セキュリティには透明性とアカウンタビリティが不可欠です。Workspace は、Gemini のアクティビティのロギングとエクスポートに関する機能を包括的に提供しています。
組織での Gemini の使用状況とデータアクセスを確認: 管理者は、組織全体での Gemini の使用状況とデータアクセスを確認して、Gemini の導入状況を把握できます。Gemini アプリと Gemini in Workspace の全体的な使用レベルと、アプリごとの Gemini の導入状況をレポートで確認できます。
Gemini からドライブ内のファイルへのアクセスをクエリ、調査、エクスポート: 管理者は Reports API を使用して Gemini の監査ログにアクセスできます。このログには、ユーザーのクエリに対して回答を生成するために、Gemini がドライブのファイルにアクセスしたインスタンスがリストされています。これらのログはセキュリティ調査ツールでも利用できるため、管理者は Gemini による Google ドライブへのアクセスに関するログデータをクエリ、調査、エクスポートできます。
Google Vault を使用して Gemini アプリの会話を調査: 電子情報開示の目的で、管理者は Vault を利用して、Gemini アプリから関連するプロンプトと回答を検索してエクスポートできます。
データ エクスポート ツールを使用して組織のデータをエクスポート: Workspace のデータに対する完全な管理権限は組織にあります。管理者は、データ エクスポート ツールを使用して、アーカイブまたはバックアップの目的で Gemini アプリと NotebookLM のデータをエクスポートできます。また、Gemini アプリにプロンプトと回答が保存される期間を管理し、このコンテンツをエクスポートできるようにします(この設定は、プロンプトや回答を保存しない Gemini in Workspace アプリでは利用できません)。


AI を柔軟にデプロイ
Workspace が提供するユーザーベースのきめ細かなアクセス制御を利用して、管理者は誰がこの強力で頑健な AI システムの機能を利用できるかを指定できます。
組織の要件に合わせて Gemini を管理: 管理者は、Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメントなどの Workspace アプリケーションにわたって Gemini の機能を有効または無効にできます。これにより、ユーザー、グループ、組織部門に基づいてアクセスを厳密に制御できます。
Gemini アプリへのアクセスを管理: 管理者は、ユーザー、グループ、組織部門に基づいて、スタンドアロンの Gemini アプリへのユーザー アクセスを自由に許可または制限できます。
Gemini で Workspace アプリへの接続を有効または無効にする: 管理者は、ユーザーが Gemini アプリ内で Workspace 拡張機能(Gemini アプリが Workspace のデータを活用できるようにする機能)を利用できるかどうかを制御できます。
NotebookLM を有効または無効にする: Gemini と同様に、管理者はユーザー、グループ、組織部門に基づいて NotebookLM と NotebookLM Plus へのユーザー アクセスを管理できます。


アクセス ポイントの保護
ユーザーレベルのアクセスに加えてデバイス固有のポリシーを実装することで、組織における Gemini の使用をさらに保護できます。
ユーザーとデバイスのコンテキストに基づいてアプリへのアクセスを制御: 管理者は、コンテキストアウェア アクセス(CAA)ポリシーを Gemini アプリと NotebookLM にデバイスに割り当てて、ユーザー ID、デバイスのセキュリティ ステータス、IP アドレス、地理的位置などの基づいて、ポリシーに準拠したデバイスからのアクセスを制限できます。
エンドポイント DLP ポリシーを Gemini アプリに適用: Chrome Enterprise Premium をお使いの場合は、強力なデータ損失防止(DLP)機能を Chrome ブラウザにも実装して、Gemini アプリや NotebookLM といった Chrome ブラウザで起動するサービスに DLP ポリシーを適用できます。これにより、機密データのコピーと貼り付け、印刷、アップロード / ダウンロードなど、Chrome ブラウザでの操作を詳細に制御できるようになります。また、個人を特定できる情報(PII)のマスキングやスクリーンショットの保護も可能になり、監査目的ですべての関連アクティビティをログに記録できます。


「カナダの大手金融機関として初めて Workspace に Google AI を導入して、全従業員が活用できるよう支援しています。パイロット プログラムでは、Google AI によって時間を大幅に節約し、生産性を向上させることができました。従業員のルーチンタスクの自動化、情報への迅速なアクセス、より効果的なコラボレーションが可能になり、この試用期間中に安全性と信頼性が損なわれることはまったくありませんでした。このテクノロジーが全従業員の職務の遂行を助け、82 万人を超えるお客様にさらに優れたエクスペリエンスを提供できると確信しています。」 - ATB Financial、チーフ クライアント エクスペリエンス&テクノロジー オフィサー John Tarnowski 氏
この記事でご紹介した頑強なセキュリティ管理を実装することで、強固なセキュリティ ポスチャーを維持し、データ保護を徹底しながら、Gemini in Workspace がもたらす生産性向上というメリットを安心して享受できます。
詳細については、次のリソースをご覧ください。
ホワイトペーパー: Gemini for Google Workspace のプライバシー、セキュリティ、コンプライアンスに関するホワイトペーパー
ヘルプセンターの記事: Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ
導入ガイド: 組織で生成 AI を最大限に活用する
-セキュリティ プロダクト マーケティング マネージャー Stephanie Chan
-Google Workspace、シニア プロダクト マネージャー Adam Gavish