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AI と機械学習

AI に関する認識のずれ: 楽観論から脱却して測定可能な成果を上げるためにリーダーができること

2025年12月19日
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Derek Snyder

Director of Product Marketing, Google Workspace

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※この投稿は米国時間 2025 年 12 月 10 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

スナップショット: AI の導入がもたらす最大のメリットは、時間の節約ではなく、可能性の拡大です。経営幹部、意思決定者、ナレッジ ワーカーを対象とした最近のグローバル アンケート調査により、AI を活用して真の変革を成し遂げた組織では、イノベーション、競争優位性、創造性、ビジネスを加速する能力、従業員が有意義な作業に集中できる割合が 2 倍以上になっていることが明らかになりました。調査レポート「Beyond AI Optimism: Five ways to move your business from saving time to sparking innovation」(AI 楽観論を超えて: 時間の節約からイノベーションの創出へとビジネスを移行する 5 つの方法)の全文をお読みいただくか、下記の主な調査結果をご覧ください。

AI 変革の現状

AI 革命が始まって数年が経った現在、自社のビジネスが AI で真の変革を成し遂げているのか、遅れをとっているのか、それとも着実に進歩しているのか疑問に思うのは自然なことです。AI 変革の現状を把握するため、Google は Hypothesis Group と提携し、6 つの市場(米国、英国、インド、日本、ブラジル、フランス)で 2,500 人を超える組織のリーダーとナレッジ ワーカーを対象に、グローバル アンケート調査を実施しました。調査対象の組織は、AI の取り組みをすでに開始している、従業員 300 人以上の組織です。

その結果、AI で真の変革を成し遂げた企業はごくわずか(約 3%)であることがわかりました。しかし、それらの AI リーダーが採用しているベスト プラクティスは、AI 変革のさまざまな段階にあるすべての組織が採用できるものです。

また、調査によって次の 3 つのテーマが新たに浮上しました。

  • 現場の実態は経営幹部の楽観論に追いついていません。従業員は全力で AI に取り組んでいますが、多くの場合、トップダウンの戦略、充実したトレーニング、明確な AI ロードマップが不足していることが足かせとなっています。
  • 時間の節約は変革の原動力であり、ゴールではありません。AI を導入したほぼすべての企業が、時間の節約と生産性の向上に測定可能な価値を見出していますが、戦略的な価値がより高い成果はイノベーションです。AI がもたらす真の成果は、単にメールやドキュメントをよりスピーディーに作成することではなく、より良い製品やサービスをよりスピーディーに開発して提供することです。
  • 真の変化を起こすことは可能です。AI を活用するための適切なツールとアプローチがあれば、あらゆる業種の組織は働き方を変革し、従業員の創造性を高め、重要な作業に集中して、アイデアの創造から市場投入までのパイプラインを加速できます。

主な調査結果

AI に関する認識のずれ

調査対象の従業員は毎日 AI を使用しており(61%)、組織が AI にもっと注力することを望んでいます(84%)。しかし、AI が引き起こす変化に適応する準備ができていると感じている従業員の割合は 3 人に 1 人にすぎません。一方、AI が大きなプラスの影響をもたらしたと回答した経営幹部は従業員より 15% 多く、経営幹部の認識と従業員の実感にずれがあることが浮き彫りになりました。

AI のスペクトル

変革の道のりは一筋ではなく、スペクトル状の多様な幅があります。組織によって道のりは異なりますが、その幅と深さには明確なパターンが現れます。それによって、変革を成し遂げた組織と変革の端緒に付いたばかりの組織の違いが生まれます。

Google は、AI ユースケースの数と、組織全体で AI を使用している部門の数の両方に基づいて、変革の 5 つのレベルを定義しました。各レベルは、組織が AI をどのように認識し、戦略を立て、成果を実現しているかという点における明確な違いを反映しています。その結果、AI を活用して高度な変革を成し遂げた組織はわずか 3% で、72% の組織は初期段階にあることがわかりました。

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AI のさらなる可能性を引き出す

AI は、常に従業員がより多くの作業をより短時間でこなせるよう支援します。組織の報告によると、AI によって情報検索にかかる時間が減少し(40%)、単調なタスクにかかる時間が短縮され(39%)、タスクの完了がスピードアップしています(38%)。しかし、時間の節約と生産性の向上は変革の第一歩にすぎません。高度な変革を成し遂げた組織は AI でもっと大きな成果を達成しています。

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AI ギャップを埋める準備はできていますか?

Google のグローバル アンケート調査に基づく以下の質問に答えて、AI の成熟度を把握しましょう。

  • AI を導入したチームと部門の数はいくつありますか。
  • 開発したユースケースの種類はいくつありますか。ユースケースは明確に定義され、広く共有されていますか。
  • 明確性を維持しつつ絶えず進化するロードマップと戦略はありますか。
  • 経営幹部を含む従業員の中に幅広い AI の賛同者がいますか。
  • AI を日常業務に取り入れるのに役立つコミュニケーション、トレーニング、インセンティブはありますか。
  • AI の導入に割り当てる予算は十分にありますか。

高度な変革を成し遂げた組織がこれらの質問に「多数ある」または「はい」と答えているのは偶然ではありません。組織が独自の変革を加速するための実践的な方法を見ていきましょう。

AI 変革の 5 つのステップ

AI の成熟度にかかわらず、高度な変革を成し遂げた組織のベスト プラクティスを採用することで、独自の変革を加速できます。

  1. 透明性の高い「常時実施」型の戦略とロードマップを作成する。AI が組織の広範な目標にどのように適合するか、テクノロジーの進歩に伴ってどのように進化するかを明確にします。
    根拠となる実績: 高度な変革を成し遂げた組織は、ワークフローを絶えず最適化するために、AI フレームワークを継続的に改良している割合が 39% 高くなっています。

  2. AI への真摯な取り組みを奨励する。計画的に組織の文化に AI を根付かせ、従業員が自信を持って AI を使用できるよう支援します。
    根拠となる実績: 高度な変革を成し遂げた組織は、チームとエンドユーザーのニーズに応じて AI を導入している割合が 36% 高くなっています。

  3. 短期間で実現できる成果を特定して優先順位を付ける。明確に定義され、あらゆるチームと役職で価値を実証できるユースケースに重点を置きます。
    根拠となる実績: 高度な変革を成し遂げた組織は、複数の役職と部門で幅広く AI を導入している割合が 48% 高くなっています。

  4. 組織全体で賛同者を増やす。AI チーム以外でも賛同者を広げると、変革が拡大することを強調します。
    根拠となる実績: 高度な変革を成し遂げた組織は、会社全体に幅広く AI の賛同者がいる割合が 52% 高くなっています。

  5. 新しい働き方と新しいツールを導入する。変革を進めるには、テクノロジーへの投資だけでなく、AI を日常業務に取り入れるのに役立つコミュニケーション、トレーニング、インセンティブへの投資も必要であることを認識します。そのためには、適切なツールを見つけてワークストリームに統合することが重要です。
    根拠となる実績: 高度な変革を成し遂げた組織は、既存のツールやアプリに AI を完全に統合することが重要であると回答した割合が 18% 高くなっています。

Workspace with Gemini はどのようにして AI 変革を促進するか

Google Workspace with Gemini は、安全性を重視して設計された、直感的で習得しやすい AI ツールを通して、組織の変革を支援します。また、Gemini Enterprise の導入に伴い、Google はエンドツーエンドのエージェント機能セットの提供を開始しました。これにより、お客様は AI 変革のために構築された包括的なソリューションを利用できます。

調査レポート「Beyond AI Optimism: Five ways to move your business from saving time to sparking innovation」(AI 楽観論を超えて: 時間の節約からイノベーションの創出へとビジネスを移行する 5 つの方法)の全文をお読みください。

-Google Workspace、プロダクト マーケティング担当ディレクター、Derek Snyder

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