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AI と機械学習

生成 AI を活用して従業員にメリットをもたらす

2024年6月28日
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John MacDonald

Director, Productivity and Collaboration Practice, Google Workspace

※この投稿は米国時間 2024 年 6 月 14 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

Gemini for Google Workspace を採用するお客様をサポートしている私自身の経験を通じて、Gemini の活用により、あらゆる規模の企業が従業員利益率(ROE)の向上を実現していることを目の当たりにしています。「生成 AI は従業員の効率向上に根本的な影響を与えるだろう」というのが Gartner の考えです。従業員が必要な情報を探す時間を減らし、新しい職務やプロジェクトを効率的に遂行できるようになるまでの時間を短縮して、コミュニケーションをより効果的に行うことができれば、より価値の高い業務に多くの時間を割いたり、日常的に発生する業務上の問題に対して新しいアプローチを試したりできます。要するに、イノベーションに費やす時間を確保できるのです。

また、Gemini は会議をより有意義なものにしたり、コラボレーションやインクルージョンを向上させたり、新しいプロジェクトの立ち上げまでの時間を短縮したりして、従業員エクスペリエンスを向上させることもできます。これにより、仕事に伴う問題の一部を取り除くことができます。場合によっては、まず着手することが勝負の 80% を占めることもあります。Gemini は、あらゆるレベルの従業員が「何もできていないことへの恐怖」を克服するために役立ちます。

つまり、Gemini for Google Workspace は、従業員の習熟度、生産性、測定可能な価値を向上させることができるため、すべての従業員、およびビジネス全体にメリットを提供できます。ここで、生成 AI を活用した ROE の向上に関してお客様が検討するにあたり、私がお伝えしている 4 つの方法をご紹介します。

1. Gemini がより高い ROE を生成できる場所を特定する

私は企業に、プラスの影響を最も大きく受けるチーム(マーケティング、カスタマー サービス、営業)から Gemini の統合を始めることをおすすめしています。これらすべての分野で、従業員は迅速かつ効果的に情報にアクセスし、大規模なコンテンツを作成して、他の人とシームレスかつ頻繁にコミュニケーションをとる必要があります。

たとえば、カスタマー サービス チームは Gemini for Workspace を使用して、顧客からの問い合わせの整理と要約、chatbot 対応のよくある質問に対する回答の提供、顧客からの質問や苦情に対する回答の下書き、文法や正確性のチェックができます。これにより、カスタマー サービスが改善し、クライアント維持率が向上します。同様に、マーケティング チームは Gemini を使用して、新しいブログ投稿、ソーシャル投稿、メール キャンペーンの下書きをしたり、新しいオーディエンスに重要なメッセージを届けたりできます。

このような生産性の向上を実際に体験した企業のうち、非常に明確な一例は、インクルーシブなインナーウェアを展開するアパレル企業であるAdore Me です。同社は、「文書作成サポート」を使用して短時間でコンテンツを作成しています。Adore Me のコピーライターは、以前は 1 人あたり毎月 30~40 時間かけて新しい商品リリースの説明を書いていました。Gemini により、その時間は約 4 時間にまで短縮されました。「(Gemini は)間違いなく Adore Me の収益に貢献しています」と Adore Me の戦略担当バイス プレジデントである Ranjan Roy 氏は言います。「時間も費用も節約できています。より速く効率的に、協力しながら作業を進め、…(当社では)これまでは不可能であったことができるようになりました。」

グローバル人材派遣会社 Randstad の AI 戦略責任者である Shezan Kazi 氏も、生成 AI が従業員のウェルビーイングに与える影響について言及しています。「(AI を使用して)当社はユーザー エクスペリエンスに注力していますが、病欠などの減少が確認されています。これは当初考えていなかったことですが、もちろん従業員のパフォーマンスに直結することです。当社ではメンタルヘルスにかなり真剣に対応していますが、生成 AI が実際に影響を与えるとは想定していませんでした。」

2. 情報へのアクセスと解釈を高速化することでイノベーションのための時間を確保する

財務から現場スタッフまで、あらゆるチームの人が Gemini を使用することで、業界の最新動向を把握し、優れたカスタマー サービスを提供して、新しいビジネスを生み出すために、必要なデータにすばやくアクセスして解釈することができます。従業員は、数秒で調査レポートを要約し、重要ポイントを特定したり、必要に応じて重要な顧客データの収集と共有を行ったりできます。

営業担当者は、Google ドキュメント、スプレッドシート、メール メッセージから関連データをインポートすることで、クライアント向けのプレゼンテーションをカスタマイズするために必要な情報をすばやくまとめることができます。営業担当者がより迅速、明瞭、親切に対応できるようになれば、クライアント サービスの質を高めることができ、販売の勢いに弾みをつけることができます。

また、従業員が情報にすばやくアクセスし、分析情報を短時間で生成することで、アイディエーションとイノベーションに費やす時間も増えます。「多くの従業員が以前より革新的になったのを実感しました」と Trellix の企業向けテクノロジー担当シニア ディレクターである Ashley Hatter 氏は言います。「Workspace を活用して従来の業務を迅速化するために最適な方法を見つけるようになったのです。」私は多くのお客様からも同様に、より短時間で情報や分析情報を取得できるようになることで、既成概念にとらわれない発想や新しいアプローチに費やす時間が増えたというご意見をいただいています。

3. コラボレーションとインクルージョンを向上させる

Gemini を使うと、あらゆる組織で、特にグローバルに分散しているチームのためにインクルーシブでコラボレーションが可能な職場環境を作ることができます。Pepperdine University は Google Meet の字幕機能を使用してリアルタイム翻訳を提供し、会議の質の向上とより多くの学習機会を実現しています。Pepperdine University の CIO である Jonathan See 氏は、この機能を「公平性とアクセシビリティを拡大するにあたり、なかでも言語の面で障壁がある人に大きな変革をもたらすもの」と考えています。

従業員は、Gemini そのものをコラボレーションのソート パートナーとして使用できます。たとえば、ある幹部がリーダーシップ オフサイトの計画を任されたものの、どのように始めればよいかわからないとします。Gemini はイベントのスケジュールを、推奨される目標、成果物、イベント後のフォローアップのタスクとともに下書きできるので、計画プロセスを開始できます。スプレッドシートでは、プロジェクト管理からイベント計画まであらゆる書式設定済みの表から選ぶことができます。

また、従業員は Google ドキュメントの構成要素など、その他の Workspace ツールと Gemini を組み合わせてコラボレーションを強化する新しい方法を見つけることもできます。たとえば、お客様とのディナーに関するメールを送信する前に、チームと共同でその下書きを作成する必要があるとします。

新しい Google ドキュメントから、「@email」と入力するだけで、メール テンプレートをドロップできます。そこから、文書作成サポートを使用してメールの下書きを生成し、共有機能を使用してチームメートにレビューしてもらい、チームとしてメールをブラッシュアップしてから、Gmail のシンボルをクリックして送信します。
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Google ドキュメントの「文書作成サポート」を使用してリアルタイムで共同編集し、送信するメールを完成させます。

4. 成功事例を理解する

企業は、生成 AI を採用することで、運用効率の向上(66%)、カスタマー エクスペリエンスの改善(57%)、イノベーションの加速(49%)、従業員の生産性の向上(48%)など、さまざまなメリットが得られると報告しています*。

最近の Forrester レポートによると、AI 機能を使用した Google Workspace 機能により次のことが可能になります。

  • コラボレーションが 30% 向上

  • 情報を検索して見つけるスピードが 40% 向上

  • アプリケーション開発にかかる時間が最大 80% 減少

Gemini は、従業員がタスクに費やす時間とエネルギー(生産性に影響する負担)の削減にも役立ちます。特別な技能を要しない作業に時間をかけすぎると、時間の経過に応じてスキルレベルが低下し、従業員エクスペリエンスが低下する可能性があります。

企業がワークフローへの Gemini の統合を開始する際、私は統合前と統合後で測定を行うようおすすめしています。カスタマー サービスがメールを送信するのにかかる時間や、営業が提案資料を作成するのにかかる時間を測定しておき、Gemini を導入して 3 か月後の影響を測定するのです。これらの指標は、パイロット プロジェクトを組織全体に広く導入するための鍵となります。

従業員利益率にかかわる、従業員の主観的な側面を把握するには、Gemini の使用を開始して数か月後に従業員にアンケートを行い、会議エクスペリエンスや、仕事で成功するために必要な情報の検索について、そしてより価値が高く戦略的な仕事に多くの時間を割けるようになったかどうかについて聞くこともできます。生成 AI が最適な状態で機能していれば、顧客とのやり取りや次の大きなアイデアの検討においても、従業員は情報の検索や、ツールやタブを切り替えるのにかかる時間を削減し、フローな状態の時間を増やすことができます。

詳しくは、Gemini for Google Workspace をご覧いただくか、生成 AI を始めるための 3 つの新しいリソースをご確認ください。


- Google Workspace、生産性およびコラボレーション プラクティス担当ディレクター John MacDonald
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