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顧客事例

ハマヤ:Google Workspace を導入し、年間 5,760 時間の削減に成功

2022年6月6日
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Google Cloud Japan Team

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創業から 50 年以上を数える老舗の手芸卸である株式会社ハマヤ(以下、ハマヤ)。同社はつい数年前まで、仕事のツールといえば「手書き伝票・電話・電卓」が欠かせない、典型的な老舗企業でした。人的リソースに頼り切ったアナログな業務体制が課題でしたが、それらを改善すべく、2018 年から Google Workspace を活用。スプレッドシートやスクリプトでデジタル化・自動化するなど、100 以上のツールを作成して業務効率を大幅に改善しました。現在は IT 人材を拡充し、DX 化コンサルティングなども積極的に行っています。導入を主導してきた執行役員 CTO 若井 信一郎 氏に話を伺いました。

利用している サービス:Google Workspace

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Google Workspace が "超アナログ会社" を根本から変える原動力に

毛糸や編み針などの手芸材料を扱う卸問屋として、50 年以上に渡って人々の「つくる・つたわる・つながる」を支えてきたハマヤ。同社の長年の課題となっていたのが、旧態依然とした業務体制です。その改革を主導してきた執行役員 CTO 若井氏は、以前までの会社を "驚くべきアナログ会社" だったと表現します。

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「私が入社したのは 2018 年の夏ですが、その当時ですら伝票関連は手書きが当たり前。クライアントからの発注もよくて FAX で、多くが電話での口約束。メールはおろか、パソコンすらほとんど使われていませんでした。」(若井氏)

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そんな状況にメスを入れるべく、ハマヤは 2018 年の秋から DX 化を進めます。その結果、今ではほとんどの業務を Google Workspace に一本化し、主にスプレッドシートを駆使して開発した 100 本以上のツールによって業務効率は大幅改善。削減したコストは業務時間にして 5,760 時間 / 年、パートタイマーの人件費に換算すると 576 万円 / 年にも上ります。

それだけの成果を出した今でこそ、DX や IT といったことの大切さや便利さは社内で理解されていますが、導入に際しては苦労も多かったと若井氏は振り返ります。

「もともと従業員の平均年齢は約 60 歳、従来の業務を回すことで人的リソースは手一杯。DX に割ける予算もほとんどありませんでした。それでいて、"どうせなら外出先からスマートフォン等で操作できるようにしてほしい" などの各種要望もあり、サービスの導入には悩みましたね。最終的には、誰でもクラウドで簡単に扱うことができ、多機能かつセキュリティもしっかりしている Google Workspace 以外、もはや選択肢はありませんでした。」(若井氏)

"DX の 8 割は社内政治" 全従業員へのヒアリングから着手

導入に際して取り組んだことで、若井氏が特に効果的だったと実感しているのは大きく 3 つ。まず 1 つ目が、真っ先に行った全従業員との 1 対 1 の面談です。目的は、各員の 1 週間の業務内容を把握すること。そこにどれだけの工数と時間が掛かっているのかが分かったことで、自ずと進むべき道が見えてきました。

「面談の際に心掛けたのが、従業員の不安へのケアです。『DX は決してあなたの仕事を奪うものではない』こと、そして『効率化によって生まれた時間で、よりクリエイティブな仕事にチャレンジしていってほしい』という会社の方向性を正しく伝え、協力を得られるように努めました。」(若井氏)

そして 2 つ目が、DX を理解してもらうため、小さな成功を見せること。重要なのは何から取り組むかですが、従業員の中には、DX に対してポジティブな反応を返してくれる人もいます。そういった従業員がいる部署の課題から着手していくことで、DX の存在感を示すことができました。

「具体的には、1 か月以内に開発できて、効果がすぐに出るツールをコンスタントに作っていきました。そうすることで DX の効果が口コミ的に素早く広がり、格段に話が進めやすくなりましたね。」(若井氏)

例えば初期段階で着手したのは、従来は 1 日に 100 枚以上の書類をプリントアウトして付け合わせていた帳票の自動化。数時間かかっていたものが、ワンクリックで完了できるようになりました。さらに、備品発注のシステムも効果的でした。

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「特に備品発注は、以前は 1 枚の白い紙を回覧し、必要な備品を手書きで取りまとめていました。それをスプレッドシートに記入してもらって自動集計をするシステムなのですが、もともとは全部署を回覧していたものですから、全従業員が効果を実感できます。これによって一気に IT って便利なんだという意識が広まったと感じています。」(若井氏)

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そして 3 つ目が、簡易的な顧客管理システムの開発です。訪問回数や実績、店舗やイベントの集客率、さらには客先への交通費などまで細かくスコアリングし、これまで営業部員の肌感覚だけで決めていた営業戦略を見える化。実は見落としていた営業機会があったことにも気付くことができました。

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「IT に対する好感度が上がっていたからこそ営業部からの協力が得られ、実現できたシステムです。DX が成功するかどうかは、8 割が社内政治によって決まると思っていますが、少しずつ段階を踏んで進めていくことの大切さを実感する出来事でしたね。それと忘れてはいけないのが、ここまでほぼスプレッドシートひとつで行ってきたということ。どれだけコストを抑えながら効果を出せるかは、ひとえに工夫次第なのです。」(若井氏)

卸問屋の枠を飛び越え、DX をリードする存在に

業務ごとに掛かる工数や時間を事前にヒアリングしていたため、Google Workspace の導入による効果はすぐに数値として実感することができました。先述の通り年間で、5,760 時間、576 万円の削減を見事に達成。Google Workspace の導入検討から、たった 2 年ほどの間の出来事です。

「大きな成果は、データをマーケティングに生かすことで、利益率を大きく改善できたことです。9% 程度だったものが約 30% にまで伸び、経営陣も高く評価してくれています。また、日々の業務に余裕が生まれたことで、これまで取り組めなかったクリエイティブな事業にもチャレンジすることができ、オリジナル商品の開発等が実現できたことも、会社の成長に繋がっています。」(若井氏)

今では従業員の意識も大きく変わり、DX に興味のなかった人から「こういうシステムを作れないか」「自分で作ってみたい」という声が聞こえてくることも珍しくなく、社内での IT 人材の育成にも力を入れています。

そして、Google Workspace の導入によるハマヤ最大の変化といえば、IT 部署を立ち上げ、外部の IT コンサルタントも担うようになったことです。それに加え、若井氏は企業での講演なども行っています。

「私たちのような中小企業にとって、IT に順応できないということは、衰退の危機であると言っても過言ではありません。そこをまず理解することが、DX の第一歩です。その意味で最小限のコストで導入することができる Google Workspace は中小企業にとても向いているサービス。今後は、卸業と並行して IT 事業を更に強化し、同じような悩みを持っている中小企業に、よりよい IT 体験をお届けしていきたいと思っています。」(若井氏)


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株式会社ハマヤ 

毛糸や編み針など手芸材料の卸問屋として 1972 年に創業。手書き伝票に電話、電卓が手放せないアナログな業務体制を長らく続けてきたが、2018 年から DX による社内改革を実施。その成功事例をもとに、現在では社外向けの講演や IT コンサルティングも行う。経済産業省から IT 導入支援事業者として採択されるなど、卸問屋と IT の両輪で成長中。

インタビュイー

執行役員 CTO 若井 信一郎 氏


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