コンテンツに移動
顧客事例

ミネベアミツミ: 「相合」精密部品メーカーが Google Workspace を基盤にグループ全体の BPR を推進

2024年10月10日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/hero_image_MinebeaMitsumi_horizontal.max-2500x2500.jpg
Google Cloud Japan Team

多様な技術や製品を「相い合わせる」ことにより、さまざまな分野で付加価値の高い新たな製品を生み出す「相合(そうごう)」精密部品メーカーのミネベアミツミ株式会社(以下、ミネベアミツミ)。同社は「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という経営理念の実現を目指し、AI や DX を駆使して業務遂行力を飛躍的に向上させる取り組みを推進しています。その一環として、導入から 25 年以上が経過したグループウェア / ワークフロー システムを、Google Workspace に刷新。このプロジェクトについて、関係者に話を伺いました。

利用しているサービス:
Google Workspace

25 年利用した仕組みを Google Workspace で刷新

ミネベアミツミでは、グループの相合力の強化と優秀な人材の確保・育成を目的に、2023 年 3 月から東京本部および営業拠点などの一部を、新しいオフィス環境である「ミネベアミツミ 東京クロステックガーデン」に集約しています。新オフィスには、常時ウェブ会議が可能な会議室や通信設備を完備。さらにフリーアドレスを導入し、吹き抜けやメゾネットタイプの内階段を活用したコミュニケーション スペースも多数設置するなど、社員と技術のシナジーが活発に発生する工夫を取り入れています。

同社は新オフィスへの移転に伴い、約 25 年使い続けてきたグループウェア / ワークフローシステムも刷新することを決定。IT サービス部門長 CIO(チーフインフォメーションオフィサー)である先山 雅也氏は、その狙いを次のように語ります。

「新オフィスに移転するにあたって、今までにない『新しい働き方の実現』を目指し、さまざまな施策を検討してきました。以前の仕組みでは、WEB 化やスマートフォン、タブレット端末を利用した外部アクセス環境など、多様な利用シーンに迅速に対応できる柔軟性を実現するにはハードルが高いため、ワークスタイルの変化に伴った新たなコラボレーション プラットフォームへの対応が不可欠でした。」

新オフィスへの移転計画が決定された 2021 年末からは、どのような IT 環境や DX が必要なのか検討を開始。グループ全体の約 9,000 名を対象に、旧システムの課題やその解決方法、今後どうすべきかなどのアンケートを実施しました。約 50% の社員から得られた回答に基づいて、新しいオフィスに求められる IT 環境のあり方を検討した結果、「25 年前のシステムを使うのは問題がある」という結論に達します。これを踏まえて 2022 年初めから製品選定を始め、8 月に Google Workspace の採用を決定しました。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/_ABE5092_small.max-1200x1200.jpg

IT サービス部門 ビジネス・システム部 ビジネス・システム 責任者である三宅 淳氏は、Google Workspace を選んだ理由を詳しく説明しています。

「旧システムは、セキュリティ的にも十分とは言えず、オンプレミスで運用していたためサーバーやストレージのリソース管理が煩雑で、運用管理に工数やコストがかかっていました。さらに企業の合併・買収(以下、M&A)が多いため、相手先の企業が旧システムを使う際にも課題がありました。刷新するなら最先端の技術でと考えていましたし、Google の最新技術が搭載されている Google Workspace であれば多くの課題を解決できると判断しました。また、若いエンジニアは学生時代に Google のサービスを使っていたことが多く、使い慣れていることも採用の背景にありました。」

Google Workspace への問い合わせに迅速に対応できる社内サポート体制も確立

ミネベアミツミでは、2022 年 9 月から Google Workspace の導入を開始しました。北海道から九州まで、すべての関連会社や工場を訪ねて使い方のレクチャーを行うとともに、新オフィスの各フロアに本件プロジェクト メンバーを配置し、社員からの問い合わせに迅速に対応できる万全のサポート体制を確立。約半年のテスト運用を経て 2023 年 4 月に国内拠点で本格運用をスタートし、その後海外拠点にも展開しています。現在は数万アカウントを発行し、Google ドキュメントや Google スプレッドシート、Google カレンダーなど、Google Workspace のほとんどのアプリを活用しています。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/_ABE5058_small.max-1200x1200.jpg

先山氏は Google Workspace の導入効果を次のように評価します。

「最大のメリットは、高度な検索機能です。旧システムでは、検索の待ち時間が長い、あいまい検索ができない、ヒット率が低いなどの課題がありました。メールやグループウェアなど、アプリごとに検索機能を使い分けることも必要でした。Google Workspace では、すべてのアプリを横断的に検索することができ、メールの添付ファイルも検索できます。また、高速に検索できるのも大きなメリットです。かつてはチャットやファイル共有、ウェブ会議など、さまざまなアプリを使い分けていましたが、Google Workspace は 1 つのサービスですべての機能に対応できるので業務の効率化につながっています。」

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/minebeamitsumi_image.max-1400x1400.jpg

例えば、M&A や中途採用などでミネベアミツミに新たに加わった社員は、必要な情報がどこにあるかわからないことが多いため、高度な検索機能は非常に重要です。ウェブ会議に関しても、これまで使っていたツールでは、会議時間や参加人数が限られてしまうなどの問題がありましたが、Google Meet では、こうした制限がなくウェブ会議が実施できます。Google カレンダーの導入も効果的で、これまでメールで数回やり取りしていたスケジュール調整が 1 度で済むようになっています。

一方、三宅氏は管理面での効果について語っています。

「旧システムでは、オンプレミスでメールサーバーを運用していたので、ストレージ容量に限りがあり、1 人当たりのメールボックスの容量を制限しなければなりませんでした。そのためメールのやり取りの多い社員は、毎朝メールを 1 時間程度かけてローカル環境にダウンロードすることが必要でした。Google Workspace では、メールをクラウド上で管理できるので、リソースの管理が容易になり、運用負荷が軽減されました。」

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/_ABE5250_small.max-1200x1200.jpg

さらに CDXO(最高デジタルトランスフォーメーション責任者)執行役員、AI・DX 推進部門、IT サービス部門統括 AI・DX 推進室長の佐内 桐梧氏は、ビジネス面での効果を強調しました。

「まず仕事のスピードが格段に速くなりました。弊社ではスマート ファクトリー化により、製造現場の自動化、省力化、効率化は実現してきましたが、バックオフィス業務は 25 年前とまったくやり方が変わっていませんでした。しかし旧システムを Google Workspace に置き換えたことで、業務を根本から改善し、 BPR を推進するための基盤を確立できました。経営トップも同じように評価しており、今後も DX を推進し、バックオフィスの一層の業務効率化を目指していきます。」

今後 3 年かけて Google Cloud によるハイブリッド クラウド化を推進

ミネベアミツミでは、M&A を繰り返してきた結果データセンターが増え、サーバー数も多くなっています。また社内システムには、一部に旧システムのデータベースも残っています。運用の効率化を図るため、オンプレミスに残すものと、クラウドに集約していくものを検討しながら、3 年程度かけて全社的に Google Cloud を中心としたハイブリッド クラウド化を進める計画です。

先山氏と佐内氏は今後の取り組みについて、次のように締めくくりました。

「ゆくゆくは BigQuery を統合データ基盤として BI ツール等も活用し、非構造化データも含め、必要なときに必要なデータをすぐに検索して業務に貢献できるデータ活用を実現したいと思います。」(先山氏)

「今後は、Google Cloud による AI / ML の活用を進めていきたいと思っています。AI を利用することで、例えば資料作成の効率化はもちろん、工場設備の異常検知の分野でも効果が期待できます。加えて Chromebook の導入や、セキュリティ強化も検討しています。現在、DX 人材育成の一環として 150 名以上が Google Cloud 関連のトレーニングを受講していますが、こうした DX 人材育成、およびセキュリティ強化に向けたデータの効率的な管理に関する提案などでも、引き続き Google Cloud のサポートを期待しています。」(佐内氏)


https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/_ABE5293_small.max-1500x1500.jpg

ミネベアミツミ株式会社
1951 年 7 月 16 日に国内初のミニチュアベアリング専門メーカー「日本ミネチュアベアリング株式会社」を設立。2017 年 1 月 27 日にミネベアとミツミ電機が経営統合して現社名に変更。グループ 145 社(2024 年 3 月末現在)で、ベアリングなどの機械加工品事業、電子デバイス、半導体、小型モーターなどの電子機器事業、自動車部品・産業機械・住宅機器の製造、販売を事業として展開。ミニチュア・小径ボールベアリングやハードディスク用ピボットアッセンブリ、リチウムイオン電池保護 IC などの分野では世界ナンバーワンのシェアを有している。

インタビュイー(写真左から)
・CDXO(最高デジタル・トランスフォーメーション責任者) 執行役員
 AI・DX 推進部門、IT サービス部門統括 AI・DX 推進室長
 佐内 桐梧 氏
・IT サービス部門長
 CIO(チーフインフォメーションオフィサー)
 先山 雅也 氏
・東京本部 ITサービス部門 ビジネス・システム部
 ビジネス・システム 主任補
 加納 亜衣華 氏
・東京本部 IT サービス部門
 ビジネス・システム部 ビジネス・システム 責任者
 三宅 淳 氏


その他の導入事例はこちらをご覧ください。

投稿先