Gemini for Workspace の新たな活用法
Aparna Pappu
GM and Vice President, Google Workspace
※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 15 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。
本日、Google I/O において、プライベートでも仕事でも Gemini for Google Workspace を使用して、より多くのことを完了するための新しい便利な方法を紹介します。皆様のお気に入りの Workspace アプリのサイドパネルに表示される Gemini は、より広範囲に展開され、1.5 Pro モデルを使用して、より幅広い質問に答え、より的確な情報に基づいた回答を提供できるようになります。また、モバイル用 Gmail アプリにも Gemini の機能が追加され、外出先でより多くのことを行えるようになります。最後に、AI を活用したワークフローにより、Gemini が複数のアプリケーションをつなぐ役割を果たすことをお見せいたします。これらはすべて、先月の Google Cloud Next で発表したイノベーションと機能強化に続くものです。
Workspace アプリのサイドパネルを更新すると、Gemini 1.5 Pro にアクセス可能に
リリース以来、100 万人以上の人々と何十万社もの企業が Workspace の生成 AI を使用して、創造性と生産性を高め、働き方を変革してきました。その中では、Google ドキュメントと Gmail の文書作成サポート、Google スライドのデザイン作成サポート、Google スプレッドシートのデータ整理サポートなどの Gemini for Workspace の機能が使用されてきました。本日、Google は Workspace Labs と Gemini for Workspace アルファ版のユーザーの皆様に、一新されてより便利になったサイドパネルの提供を開始します。来月には、すべての Gemini for Workspace ユーザーの皆様と Google One AI プレミアム会員様にこの機能をお届けできる予定です。
Gmail、Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド、Google ドライブで最初に提供される新しいサイドパネルでは、アプリの画面を開いたまま Gemini とチャットし、メールやドキュメントなどの分析情報を活用して、コンテンツを要約、分析、生成できます。一新されたインターフェースでは、作業中の会話やコンテンツを自動要約できるだけでなく、作業を開始しやすいよう、文脈に合わせたプロンプトが表示されます。
要約とプロンプトが表示される Gemini in Google ドキュメントのサイドパネル
新しいサイドパネルは、コンテキスト ウィンドウがより長く、より高度な推論が可能な Gemini 1.5 Pro モデルなどの Google の最も便利なモデルを活用するよう設計されています。これにより、はるかに大規模なデータセットに基づき、より見識に富んだ、より正確な回答を提示できます。たとえば、子どもの学校から送られるメールを要約したり、欠席した PTA 会議の記録から主要な点をまとめたりするよう指示できます。
最近受信したメールと会議記録の主要な点を要約した Gemini in Gmail のサイドパネル
そして最も重要なことは、Workspace のサイドパネルで Gemini を使用できることで、調査やブレーンストーミングを行ったり、追加情報を得たりするために、今開いているアプリやドキュメントから離れる必要がなくなることです。Google 検索の結果や Gmail の受信トレイと Google ドライブ内の情報から必要な分析情報をまとめて取得できます。たとえば、親族会を計画しているときに、おばあちゃんから「部屋を予約したいのでホテルの情報を教えてほしい」というメールが届いたとしましょう。そのときに、「@Family Reunion 2024 に記載されているホテル名と営業マネージャーのメールアドレスはどれか」と入力するだけで、すべてのイベント詳細情報を含む Google ドキュメント検索するよう Gemini に指示し、簡単に検索結果を返信に挿入して、おばあちゃんに必要な情報を知らせることができます。
Google ドライブ内のファイルから取得した情報を提示する Gemini in Gmail のサイドパネル
Gemini in Gmail モバイル版で外出先でもやり取りが可能に
Gmail は世界最大のメールサービスで、世界中の人々がウェブブラウザやモバイル デバイスを通じて常にやり取りできるようサポートしています。ただし、外出先で長いメールのスレッドに目を通すのは時間がかかり、特に小さな画面ではこれが困難です。この問題を解決するため、Gemini は近々、メールのスレッドを分析し、サイドパネルと同様に Gmail アプリで直接、主要部分を要約したビューを提示するようになる予定です。Gmail アプリの要約機能は、今月 Workspace Labs で提供が開始され、来月にはすべての Gemini for Workspace ユーザーの皆様と Google One AI プレミアム会員様にご利用いただけるようになります。
長いメールスレッドを要約した Gmail アプリの Gemini
Gmail のスマート リプライ機能を使用すると、大幅に時間を節約でき、1 回のタップだけでメールにすぐに返信できます。ただし、「それでいいと思います」や「はい、今進めているところです」だけでは不十分な場合もあります。その場合、Gemini が提示する返信が大いに役立ちます。
まもなく、コンテキスト対応可能なスマート リプライにより、メッセージの意図を完全に把握したより長くて詳細な候補が提示されるようになります。小さな画面で完璧な返信文を作成しようと苦心する必要はもうありません。Gemini がメールの全文を考慮して、1 回のタップで返信できるよう文章を提示してくれます。この機能は 7 月から、Workspace Labs のモバイル版とウェブ版で利用できるようになります。
コンテキスト対応可能なスマート リプライを提示する Gmail アプリの Gemini
返信や要約が提示されることで、受信トレイをより速く確認しやすくなりますが、場合によっては、返信する前にさらにカスタマイズした回答を提示したり、追加の分析情報を収集したりする必要もあります。まもなく、Gmail の Q&A を使用して Gemini とチャットし、必要な追加情報を得ることができるようになります。たとえば、「土曜日の Chloe のリサイタルは何時からですか」や、受信トレイ内の他のメールから情報を pull する複雑な質問(「最近取得した屋根の修理の見積もりを価格と対応可能日で比較表示してください」など)、によって Gemini に受信トレイを検索してもらうことができます。このように、アプリから一切離れることなく、返信に必要な情報を迅速に得ることができます。Gmail Q&A は、7 月から Workspace Labs のモバイル版とウェブ版でご利用いただける予定です。
受信ボックスから分析情報を収集する Gmail アプリの Gemini
Gemini で日々のワークフローをより簡単に処理
経費報告書の提出、ドキュメントの審査と承認、プロジェクト管理トラッカーの更新など、多くの人が日々の仕事で反復的な作業とワークフローを抱えています。これらの業務のためにアプリ間を移動するたびに、タブやツールを切り替えたり、その都度データをコピーして貼り付けたりするのは、プロセス全体で大きな負担になることが多々あります。
Google は、生成 AI が各ワークフローに関与するアプリをつなぐ存在として機能し、これらの日常的な業務のより簡単かつ迅速な処理に役立つと考えています。
ご自身がフリーランスまたは中小企業の経営者で、事業の経費を管理する必要があるとしましょう。領収書は PDF の添付ファイルとして Gmail の受信トレイ内に散らばっており、実際に整理する方法がありません。まもなく、Gemini はこのような種類の添付ファイルを自動認識し、Google ドライブや Google スプレッドシートでこれらを「整理して追跡」するための便利なプロンプトを表示するようになります。これにより、添付ファイルが送られてきたときに手動で整理する手間が省けるだけでなく、今後送られてくるメールでもこの処理を自動化することができます。Gemini in Google スプレッドシートをデータ Q&A と併用して詳細な分析を行うことで、「事業経費にどうお金が使われているか」や「月ごとの経費を表示してほしい」といった質問をすることができます。
Gemini in Gmail が領収書の自動的な整理と追跡をサポート
これは、Workspace や他の Google アプリを利用する一般的なシナリオに AI を搭載したワークフローを提供するための Gemini の活用方法の一例にすぎません。Google ドライブで添付ファイルを整理してスプレッドシートを生成し、Q&A でデータ分析を行うこの特別な機能は、今年中に Labs ユーザーの皆様に展開される予定です。
Gemini for Workspace を今すぐ試してみる
Google は、お客様が最も必要とする場面で Gemini がより役立つものになるように取り組んでいます。Gemini for Workspace は、一般のユーザー様には Google One AI プレミアム の無料トライアルで、法人のお客様には Gemini for Workspace アドオンで、今すぐご利用いただけます。また、Gemini のプロンプトについてより詳しくお知りになりたい場合は、「プロンプト ガイド 101」や「プロンプトを超越する」ブログシリーズをぜひご覧ください。
-Google Workspace 担当 GM 兼バイス プレジデント Aparna Pappu