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生産性とコラボレーション

インタビュー: ベテランの財務リーダーはどのようにして Google スプレッドシートに転向したか

2023年2月1日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 13 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

私は日々、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどを通じてユーザーを喜ばせ、将来に向けたイノベーションを加速する方法について考えています。そのため、Google に最近入社したベテランの財務リーダーが Google スプレッドシートへの転向を説いて回っていると聞いて、当然のことながらうれしく思いました。Google Workspace および Maps Enterprise の財務担当シニア ディレクターである Eric Refuerzo とひざを交え、その経歴、新しい働き方の時代に財務チームがどのように業務を行っているか、スプレッドシートがどのように、そしてなぜ彼を魅了したのかについて話をうかがいました。

以下は会話のハイライトです。

Vishnu Sivaji: Eric、お忙しい中ありがとう。あなたのキャリアの話から始めましょう。経歴と Google に入社した理由について少し教えていただけますか?

Eric Refuerzo: こちらこそ、お話しできてうれしいです。私はコーポレート ファイナンスの専門家で、テクノロジー ファイナンスの分野で 25 年以上の経験を積んできました。財務計画の分析から戦略、合併、買収まで、財務に関するあらゆる側面に携わってきました。また、Cisco、VMware、Hitachi Vantara などの企業で部門の CFO も務めました。真にグローバルなチームに世界クラスの財務サポートを提供したいという一心で、こうしたさまざまな役割を担ってきました。文字どおり何十億ものユーザーにサービスを提供している Google のような企業で働くことは、キャリアの中でそう何度もあることではありません。ここで働けることをうれしく思っています。

Sivaji: 素晴らしいですね。私が Google に入社し、長く在籍している理由も同じものです。パンデミックの最中と、ハイブリッドな勤務形態が多くの組織にとってニューノーマルになった現在の双方で、財務チームがどのように働き方を変えているのかについて、あなたの見解に興味があります。生産性を維持し、迅速な行動につながる意思決定を行うために、チームはどんなことをしていますか?

Refuerzo: ハイブリッドな勤務形態により財務のあり方が大きく変わったことで、チームは以前よりも機敏になり、共同作業が活発に行われるようになりました。本質的に、多くの財務担当者は分析的であり、モデルの操作に没頭する時間を必要としています。ハイブリッドな勤務形態は、いくつかの点で私たちに道を開いてくれました。自宅で仕事をするときは集中する時間を確保でき、出社したときはより深いコラボレーションとホワイトボード セッションを実施できています。高い生産性を維持できていること、そして、ハイブリッドな勤務形態によって、業務に幅広いインプットと分析情報がもたらされていることに驚いています。Google Workspace が提供するリアルタイム、または「好きなとき」に利用できるコミュニケーションとコラボレーションの機能は、今では私たちの働き方に組み込まれています。

Sivaji: Workspace プロダクトとリアルタイム コラボレーションについて少し触れていただきました。あなたが多くの時間を費やしている Google Workspace のスプレッドシートについて、もう少しお話をうかがってもよろしいでしょうか。あなた個人が経験した Excel からスプレッドシートへの転向について知りたいのですが、一番驚いたことは何ですか?あるいは、使ってみて良かった点は?

Refuerzo: まず私の背景を少し説明させてください。25 年以上のキャリアを通じて、私はデータ分析モデリングの専門家とみなされきました。自分のチームには、非常に高い期待を持っています。今年 Google に入社するまでの間、私はずっと Excel を使っていました。一日の大半を Excel での作業に費やしていたのです。そのため、面接の間、Google Workspace には懐疑的でした。ですが、「調査の一環として Google Workspace を使用し、その機能をテストしましょう。特に無料版を使用してスプレッドシートの機能をテストしてみましょう」と言いました。

テストの後、Excel の機能がなくて困ることがなかったことに愕然としました。Excel にはたくさんの機能がありますが、その多くは財務の分野で日常的に使用されているわけではありません。2 番目に印象に残ったのは、スケーラブルなクラウド ソリューションの力と、作業中のスプレッドシートの保存について心配する必要がないことでした。以前の会社で働いていたときにオンプレミスから Microsoft 365 への移行を経験しましたが、甚だ苦痛でした。おそらく、Excel に関する最大の不満の一つは、クラウドへの移行をスムーズに行えないことでしょう。

3 番目に驚かされたことは、リアルタイムの共同編集です。名前リンクとスマートチップを使用したり、メールやチャットを経由せずに直接共有したりすることで、自分が作業しているシートの最新の状態を他のユーザーと共有することができます。こうした操作ができることで、コラボレーションが活発に行われるようになります。スプレッドシートをはじめとする Google Workspace の機能のおかげで私とチームの生産性が大きく向上し、共同作業が大幅に増加したことに、驚くばかりです。

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ユーザーはまもなく Google スプレッドシートのスマートチップからデータを抽出して、高度な追跡と豊富なデータの属性を利用したより深い分析を行えるようになります。

Sivaji: スプレッドシートのプロダクト ディレクターとして大変うれしく思います。相互運用性についての問題はありましたか?

Refuerzo: まったくありません。スプレッドシートでは、生産性、コミュニケーション、コラボレーションのためのさまざまなアプリケーションを使用して作業し、他のユーザーと共同作業できるため、1 か所で作業を完結させることができます。コネクテッド シートを使用できるので、使い慣れたスプレッドシート インターフェースで数十億行の BigQuery データや Looker データを分析し、他の内部データソースを取り込むことができます。また、なんらかの理由で外部から Excel ファイルが送られてきても、安全かつシームレスにスプレッドシートにインポートできます。

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ドライブの信頼ルールを提案し、安全な共有プロセスに従って組織のコラボレーションを自動的に保護している Google 管理コンソール。信頼ルールを使用すると、グループや組織部門に応じて内部および外部の共有チャネルを設定することで、機密性の高いビジネス ユニットや外部組織との間にファイアウォールを維持しながら、パートナーと安全に共同作業できるようになります。詳しくはこちらをご覧ください。

Sivaji: スプレッドシートの強みとして他に際立っているものは何ですか?

Refuerzo: セキュリティとコンプライアンスは大きな強みです。機密データが Google Cloud のクラス最高の機能によって保護されていることと、チームの全員が機密データをノートパソコンにダウンロードせずに作業できることが素晴らしい点です。たとえば、閲覧者とコメント投稿者のダウンロード、コピー、印刷を無効にすることができます。これは、デスクトップ アプリをサポートしている競合他社にはできないことです。また、ドライブのデータ損失防止(DLP)信頼ルールにより、特に機密性の高いデータの社内外での共有方法と共有相手を制御できます。こうした機能のすべてが安心につながっています。

それから、いつでもパフォーマンスが一貫している点が気に入っています。Excel では、オンプレミスとオフプレミスのオフライン モードを行き来することがよくありますが、2 つのモード間を移動するとデータが失われてしまうことがあります。クラッシュの後にリカバリモードに入りますが、これが 1 日に数回発生して財務担当者の仕事に影響する場合があります。以前は、自動リカバリからデータをクリーンアップするだけで、チームの生産性が何時間分も損なわれていたのでないかと思っています。ありがたいことに、スプレッドシートにはそうした問題がありません。いつでも必ずデータを利用できるという安心感があります。変更履歴で分単位のバージョンを確認し、必要に応じて古いバージョンを完全に復元することもできます。Google の財務チームがスプレッドシートを使用しているのも当然です。

Sivaji: 大規模なデータストアの操作での関連ツールの使用について少しお話しいただけますか?私たちは、財務アナリストがその場で簡単にデータを取り込んで、大規模に作業できるようにしたいと考えています。その種の機能に高い需要はありますか?

Refuerzo: 大いにあります。今後の財務関連の業務では、補完的なツールをシームレスに使用できることが必要不可欠になるでしょう。私は多くの CFO や CEO の下で働いてきましたが、実際に、財務チームにとっても、CEO のようなより幅広い視点を持つことがますます重要になっています。それは、可能な限り多くのリアルタイム分析情報を追加する必要があり、データが新しい通貨になっているからです。何百万行ものデータを合成したうえで、詳細情報と明快な要約の両方を提供できるようになる必要があります。そのためには、相互運用できる複数のツールを使用する必要があります。Looker あるいは AppSheet は、その中核となるツールです。私はつい先日から、ワークフロー内で厳選されたインプットを取り込むカスタムアプリの構築に取り組んでいます。最終的には、こうしたコネクテッド ツールを使用してストーリーを伝え、なおかつそのストーリーを詳細なデータで裏付けられることが大切となります。森も木も見られるようになりたいのです。

Sivaji: 自分と同様の職務を担当する他社の財務リーダーに対して、それぞれの環境でスプレッドシートの変革を推進する方法についてアドバイスはありますか?

Refuerzo: いい質問ですね。現状のツールを再検討し、スプレッドシートやより広範な Google Workspace ソリューションなどのアプリケーションと比較することをおすすめしたいと思います。機能だけでなく、メール、チャット、ビデオ会議などについて、それぞれの費用対効果にも着目すべきです。こうした SaaS の月額料金をすべて合算すると、1 ユーザーあたり月額 100 ドル以上になるかもしれません。ですが、Workspace を介してワークフローを標準化すれば、20 ドルないしは 30 ドルにできる可能性があります。チームに対するアドバイスを挙げるなら、特定のグループ内で Workspace を試すことです。Google Workspace Essentials Starter のような無料のソリューションを導入してから、アップグレードで必要な機能を入手することもできます。私のチームメンバーからは、「各プロダクトは操作が非常に簡単なので、すぐに使いこなせるようになりました」という感想が届いています。20 年以上 Excel を使用していたメンバーさえそう言っているのですよ。


- Google Workspace および Maps Enterprise、財務担当シニア ディレクター、Eric Refuerzo
- Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、サイト、フォーム、プロダクト管理担当ディレクター、Vishnu Sivaji
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