オートバックスセブンが Google Workspace と Gemini で挑む「AI - Ready」な組織変革

Google Cloud Japan Team
国内最大手のカー用品総合専門店を展開し、カーライフのトータル サポートを提供する株式会社 オートバックスセブン(以下、オートバックスセブン)。グループ全体で、2022 年度の売上高 2,362 億円を 2032 年度までに 5,000 億円へ拡大する目標を掲げる同社では、その達成に向けた抜本的な業務改革と「AI - Ready」な組織づくりを推進しています。本記事では、グループ全体の DX 推進を担う株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ(以下、ABDi)の皆様に、Google Workspace および Gemini を活用したグループ全体のワークスタイル変革の舞台裏について詳しく話を伺いました。
利用しているサービス:
Google Workspace
従来の延長線上からの脱却と「 AI - Ready 」な働き方へのシフト
オートバックスセブンでは長年、既存のオフィス ツール群を全社的な業務基盤として利用してきました。とりわけ、マクロを駆使した表計算ソフトによる緻密な業務自動化が定着しており、現場の業務効率化に大きく貢献していました。
しかし、同社が目指す 2032 年度までの長期経営計画では、売上高を 5,000 億円(2 倍以上)へ引き上げるという挑戦的な目標が掲げられています。2032 年度の目標達成に向けては、従来の業務プロセスや働き方の延長線上にとどまらない変革が必要であるとの判断から、生成 AI を活用した業務プロセス改革を進めることを決定しました。
さらに、既存ツールのライセンス更新に伴うコストの見直しや、追加コストなく Gemini などの生成 AI 機能がグループウェアに包括されている点も大きな後押しとなりました。現場からは「慣れ親しんだマクロや表計算ソフトが使えなくなるのではないか」という懸念や強い反発の声も上がりましたが、将来の非連続な成長を見据え、Google Workspace を中核とした業務環境への移行を決断しました。
Google Workspace と生成 AI の統合活用による現場主導の変革
ABDi では、他社事例の知見を取り入れながら、段階的かつ着実な移行アプローチを進めました。法務部門の契約書作成や財務・経理部門のフォーマット維持、営業部門における複雑なマクロ計算など、一部の専門業務への配慮を行いつつも、多くの業務を Google スプレッドシート や Google ドキュメント へ置き換える方針を策定。社内ポータルやチャットボットによる相談窓口を整え、ABDi の開発チームが現場の移行支援に入る体制を構築しました。その中で、業務の在り方を根本から変える起爆剤となったのが、Gemini や Gemini Notebook といった Google の最新 AI ツール群です。
- Gemini による日常業務・データ処理の自動化
Gmail 上での予定確認や関連資料の横断検索、さらには月次報告資料の作成などに Gemini をフル活用。従来は関数などを駆使して 30 分から 1 時間かけて集計・作成していた報告資料が、Gemini への指示によりわずか 2〜3 分で完了するなど、大幅な時間短縮を実現しています。 - Google Meet の文字起こし・要約機能
オンライン会議の要約や決定事項、タスクの整理を自動化。精度の高い要約メモにより、会議後のアクションを迅速化させています。 - Gemini Notebook によるナレッジ統合と業務引き継ぎの効率化
店舗運営に関わるシステム仕様書、マニュアル、過去の変更履歴などを Gemini Notebook に集約。従来は異動者や新入社員に対して一から口頭で説明していた引き継ぎ業務が、「Gemini Notebook に質問すれば即座に回答が得られる」体制へと進化しました。
業務の圧倒的なスピードアップと情報アクセスの民主化
Google Workspace と AI ツールの導入により、社内には具体的な業務改善と意識変革が生まれています。
- 資料作成時間が 30 分〜1 時間から 2〜3 分へ短縮:集計や関数処理、文章作成などの作業負荷が激減し、社員が本来注力すべきコア業務や意思決定に時間を割くことが可能になりました。
- 会議準備・情報探索にかかる時間の大幅な削減: Gmail や Google ドライブを横断したスマートな情報検索により、会議準備に必要なドキュメントを効率的に見つけられるようになりました。
- ナレッジ マネジメントの高度化と情報共有の促進:膨大なドキュメントの要約・整理が容易になり、業務引き継ぎの工数が削減。組織全体で必要な情報へアクセスしやすくなりました。
今後の展望:AI 前提の企業文化を確立し、全社的な業務進化を加速
導入開始時点では、全体の約 50% が従来の表計算ソフトの継続利用を希望していました。利用開始直後は不慣れによる戸惑いの声もありましたが、同社では最終的に表計算ソフトの利用を約 25% に絞り、それ以外は Google スプレッドシート へ移行していく予定です。
今後は、ABDi が中心となって先行導入で得られた Gemini や Gemini Notebook の実践的な活用ノウハウ(Tips)を全社に展開し、全社員が自然に AI を使いこなす環境を整備していきます。Google Cloud および Google Workspace の先進技術を最大限に活かし、カーライフ市場における持続的な成長とビジネス モデル の進化に挑戦し続けます。


株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ(ABDi)
オートバックスグループのデジタル戦略および IT 推進を担う中核組織として、グループ全体のシステム開発・運用、DX 推進を主導。先進的なデジタル技術の導入を通じて、顧客体験の向上とグループ全体の業務プロセス革新を支えています。
インタビュイー
株式会社オートバックスデジタルイニシアチブ
DXインテグレーション推進部 部長 月野 大典 氏
DXインテグレーション推進部 丸山 充紀 氏
DXインテグレーション推進部 戸川 征之 氏


