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顧客事例

セキュリティと公平性: Google を活用した医療業務リモート化の拡大

2022年2月16日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 5 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

今回は、Hackensack Meridian Health(HMH)の幹部を務める Mark Eimer 氏に、包括的な Google サービス スイートを大胆なタイムラインで導入したことで、医師や IT スタッフなどさまざまなスタッフが働く組織全体でセキュリティ、職場環境の公平性が改善し、最終的に患者転帰の向上を達成した経緯をお伺いします。

17 の病院で使用する、統合間もない医療システムのプラットフォーム移行とハードウェアのロールアウトをいかにして安全かつ速やかに実施し、さまざまな場所で多彩な業務を行うスタッフ全員の業務を改善するか。2020 年の初め頃、私は毎晩眠れずにこの質問を繰り返し自問していました。当時、パンデミックにより根本的な大改革が必要とされていましたが、HMH の古いノートパソコンとオペレーティング システムではとうてい対処できそうにありませんでした。

HMH は、2020 年に Google のサービスの利用を開始し、デフォルトのブラウザとして Chrome を導入しました。プラットフォームの移行に伴い、最も重要だったのは、患者のデータを安全に保存することと、バーチャルに業務を行ううえで必要なツールを全スタッフに提供することでした。以前は、Internet Explorer や Edge を使用してウェブベースの組織内アプリケーションにアクセスする際に問題が発生することが多かったのですが、Chrome に切り替えてからそれがなくなりました。また、Chrome は互換性に優れるため、ウェブベースで行っていた業務を簡単に移行できました。この切り替えにあたり、HMH に特に大きなメリットをもたらしたのは、Chrome のセキュリティ機能と管理機能でした。

移行が無事完了したため、次は Google とのパートナーシップを患者ケア アプリケーションに拡大することにしました。Google の AI と ML に関する専門知識が、診断ツールの用途を拡大し、患者の全診療期間にわたりさまざまな改善を行ううえで役立ちました。

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患者のケアが HMH の第一の使命

全ステップでセキュリティを実現

多くの医療機関と同様、HMH でもランサムウェアの攻撃に対する懸念があり、そのことが、Google Workspace に移行する理由のひとつとなりました。2020 年 3 月には、パンデミックのために、キオスクモードの Chrome OS デバイスを 3,000 台以上配布し、多くのスタッフがリモートワークに移行しました。特に懸念していたのは、チームメンバーが、自分が所有するデバイスでサポート期限が切れたオペレーティング システム(Windows 7)を使用することや、全般的にウイルス対策や暗号化といった対策をせずに、組織のアプリケーションにアクセスすることでした。

Google のソフトウェアとハードウェアには巧妙な攻撃を防ぐために必要なセキュリティ機能が備わっているため、そうした危険から組織を保護することができました。たとえば、Chrome OS は、セキュリティ アップデートを自動的に最新の状態に保つとともに、クラウドに保存されていないハードウェア上のデータを暗号化します。こうした機能のおかげで、セキュリティ関連の問題の発生を防ぎつつ、数千におよぶアカウントに紐付いた大量のファイル共有ライブラリやメールを、わずか 4 か月で Google Chrome OS に安全に移動できました。

1 年後の 2021 年 3 月には、組織全体が Google Workspace に移行しましたが、Workspace に組み込まれた AI と ML により、移行直後に迷惑メールが 30% 減少し、スタッフがフィッシング メールを受け取る(およびリンクをクリックする)危険を軽減できました。在宅勤務で、機密データにリモートでアクセスしなければならないチームメンバーが増えたにもかかわらず、安全かつ簡単につながり、つくり、協力することができました。

公平な競争の場を作る

組織として、多くのチームメンバーの自宅にパソコンがないことは驚きでした。そこで、在宅勤務が必要なメンバーには、ハードウェアを支給することをすぐに決定しました。Chromebook はパソコンに比べて安価で、かつセキュリティ管理機能を備えているため、3 週間足らずで初回配布分の Chromebook 3,000 台の購入と、チームメンバーへの配布およびサポート提供を行えました。また、数少ない限られたスタッフではなく、リモートで勤務する対象スタッフ全員にデバイスを提供できたことは、HMH がダイバーシティとインクルージョンの取り組みの一部として掲げる「すべてのスタッフが、良い仕事をするために同じツールを使用できる」というテクノロジーの公平性の目標を達成するうえで、きわめて重要でした。

全スタッフが質の高い仕事をするために必要なツールを利用できれば、患者転帰は改善します。クラウド導入に踏み切る前、患者とスタッフ双方のエクスペリエンスは、病院内と病院外では異なるものでした。

現在は、スタッフがどこにいようとも、エクスペリエンスは同じです。また、業務の効率性とアクセシビリティの改善によって、患者側にもメリットがあることがわかりました。たとえば、HMH ではウェブベースのコンタクト センターを構築して、Workspace と Chrome OS デバイスを使用する 80 の拠点をサポートしていますが、カスタマー サービス担当者、管理者、医療従事者が同じシステムを使用しているため、患者がすべてのサービスをワンストップで利用できるようになりました。

さらに、Grow with Google プログラムの利用を通じて、スタッフにさらなるチャンスを提供できるようになりました。これは、HMH の公平性に関する目標の推進にも役立ちます。環境サービス、食品と栄養など技術以外の部署から、IT 分野へのキャリア チェンジに関心を持つ IT スタッフ以外のメンバー 50 名が、HMH が使用する Google のサービスやプロダクトに関する Google のトレーニングを受講しました。今回のメンバーは、Grow with Google プログラムの導入前には IT 分野へのキャリア チェンジを考えたことはなかったかもしれません。今回のパートナーシップを通じて、そうしたチャンスを得られたのです。

長期間にわたる戦略的パートナーシップ

大規模なロールアウトの場合、仕事はノートパソコンを従業員に配布しただけでは終わりません。Google は長期的な協力関係の構築のために真剣に取り組んでくれます。そのことは、医療機関のニーズに合わせて継続的にサービスを最適化し、さまざまなツールをスタッフのワークフローに合うよう進んでカスタマイズしていることから、伝わってきます。

たとえば、Chrome OS では、Google チームによるクレジット カード リーダーや電子署名パッドなどのハードウェアとデバイスの統合を通じて、HMH の受付窓口やドキュメント センターの業務を改善できました。また、HIPAA、メディケイド、メディケアに関連する診療報酬の処理に関して、合衆国政府および州政府が義務付けるセキュリティとプライバシーの要件を遵守する必要がありますが、その点でも支援してくれています。今後 1 年間は、Google Cloud の機能ロードマップを検討してさらなる強化を図りつつ、HMH の現在または将来のニーズに合わせて、使用中の Google サービスを繰り返し調整していく予定です。

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技術と専門知識を組み合わせる

未来の医療を実現

Google とのパートナーシップを HMH の管理機能と診療機能の両方で拡大した理由は、セキュリティとユーザビリティ面のメリットに加え、全スタッフが平等に Google テクノロジーを利用できるためです。来年は、Google の機能をさらに組織にロールアウトし、HMH の 350 におよぶ外来診療クリニックすべてに Chromebook を配布します。

また、現在は Google のプロフェッショナル サービス チームと協力して、3D マンモグラフィ画像を分析するカスタム AI モデルを作成しています。この AI モデルにより、追加の時間をかけることなく、国際的なベスト プラクティスに沿って、米国では未だまれな 2 人の医療従事者によるマンモグラフィの読影が可能になります。マンモグラフィの二重読影により患者の再勧奨率を下げ、乳がん検査の精度を高めるなど、患者の健康にとってより良い結果をもたらすことができます。

現在、Cloud Healthcare API など Google Cloud のさまざまなサービスを用いて、モデルを構築しているところです。完成後、このモデルは Google の Vertex AI でトレーニング、デプロイ、メンテナンスを行い、AI により臨床判断をサポートして、HMH の医療従事者の生産性向上のために活用されます。今後、モデルの有効性が実証できれば、予測サービスを作成して、他の医療機関にも利用してもらえるようにする予定です。

Google のサービスを利用することで、データ保存機能と AI モデルのトレーニングやデプロイ機能を 1 つのアーキテクチャに統合できます。それにより、スタッフがあらゆる場所から働ける環境を確保し、さらに業務の効率性と安全性を高められます。AI ほど正確に未来を予測することはできないかもしれませんが、HMH の医療事業と患者転帰を改善するうえで、Google との継続的なパートナーシップが鍵を握ることになると考えています。


- Hackensack Meridian Health 上級バイス プレジデント、アソシエイト CIO 兼 CTO Mark Eimer
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