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顧客事例

Roche、Google ドライブの AI 分類を使用して数百万個のファイルを保護

2024年7月31日
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「当社は 10 万人のユーザーを擁し、Google ドライブに数十億個のファイルを保存しています。AI 分類がなければ、大規模なラベル付けプロセスに対応できませんでした。AI 分類は、有効にした瞬間からすぐに価値を提供してくれます」- Roche、CISO、Tim Ehrhart 氏

※この投稿は米国時間 2024 年 7 月 26 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。

概要: Roche は、ドキュメントのラベル付けプロセスを自動化することにより、セキュリティ管理を標準化し、ビジネス全体のデータ保護を強化しています。Google Workspace 内の Google ドライブに AI 分類を適用することで、Roche には以下のようなメリットがもたらされました。

  • ファイルのラベル付けと分類を行う、プライバシーを保護したカスタム AI モデルを開発する

  • Roche のポリシーとファイルのラベル付けデータに基づいて新たにラベル付けしたトレーニング ファイルを学習させ、AI モデルを定期的に進化させる

  • 従業員による機密情報の取り扱いを改善し、通常は手作業でラベル付けしていた作業にかかる時間を大幅に短縮する


セキュリティを強化するためにファイルにラベル付けする作業が必要なくなったとしたら、どうでしょう?

データの分類は、きめ細かなデータの管理と保護を実現する基本ステップの一つであり、その成否は組織が大量のファイルにラベル付けできるかどうかにかかっています。現在のデジタル環境においてデータ セキュリティは最も重要であるにもかかわらず、ラベル付けは依然として面倒で対応が難しい作業となっています。

多忙な従業員はラベル付けを忘れたり、その重要性を過小評価したりすることが多いため、分類ベースの強力なセキュリティ ルールは事実上適用できません。Google Workspace が堅牢なデータ分類管理機能を提供しているのはそのためです。これにより、管理者はデータ分類を定義し、ラベルベースのデータ ガバナンス ポリシーを設定して、ドキュメントのラベル付けを自動化できます。

AI 分類は、このアプローチをまったく新しいレベルに引き上げるものです。会社固有のデータ分類ポリシーとファイルを使ってトレーニングされたこの機能は、AI と ML を使用して組織のコンテンツに自動的にラベルを付けます。AI 分類は、トレーニング用に指定したデータにのみ基づいてお客様固有のモデルを作成します。また、広範なプライバシー保護機能が組み込まれており、他の目的や公開モデルに使われることは一切ありません。モデルがお客様固有のラベル付け基準を学習する最初のトレーニング期間が終わると、AI 分類は Google ドライブ内の新規および既存のファイルに「機密」や「社内専用」といったラベルを自動的に適用します。ラベルは、データ損失防止機能を通じて、共有できるファイルと共有できないファイルに関するルールのトリガーに使用でき、データの保護とガバナンスの合理化、自動化、実施に役立ちます。

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AI 分類では、管理者はスコア(高、中、低)を選択して、モデルをトレーニングした各ラベル フィールド オプションのパフォーマンス レベルを示すことができます。

実環境での AI 分類

ラベル付けはただの作業ではありません。強力なデータ セキュリティの基礎となるラベルは、データの損失を抑え、機密情報へのアクセスを制御します。AI 分類は、このプロセスを効率的かつスケーラブルなものにします。

世界最大級のバイオテクノロジー企業である Roche は、すでにこのツールを使用して、手作業でのラベル付けの負担を克服しています。「Roche は AI を活用して、業務をよりスムーズに進めたいと考えています。Google Workspace の AI 分類を使えば、ラベル付けプロセスをより迅速に進め、ドキュメントを安全に保つことができます」と、Roche の CISO である Tim Ehrhart 氏は話しています。

Roche は、望ましいセキュリティ ポスチャーの実現とラベル付けしたドキュメントの管理に苦労していましたが、AI 分類が解決策となり、以下のことが可能になりました。

  • 何百万ものラベルを適用: それまでの手作業によるラベル付けプロセスでは、Roche は増え続けるファイルに一貫してラベルを付けることができませんでした。AI 分類により、Roche は数百万ものドキュメントに迅速にラベルを付け、データ ガバナンスのための強固な基盤を確立することができました。

  • ラベル付けプロセスの標準化: Roche では、信頼性の低いラベル付けが継続的な課題となっていました。現在は AI 分類により、一貫性のある標準化されたラベル付けを実現しています。

  • セキュリティ チームの強化: Roche の SecOps チームは、組織内の機密ファイルの量を明確に把握していませんでした。体系的なラベル付けによって機密データの全体像を把握できるようになり、より効果的な管理が可能になりました。

  • チーム全体のワークロードの軽減: 手作業でのラベル付けは、Roche にとって非常に面倒な作業でした。ラベル付けプロセスのかなりの部分を自動化することで、AI 分類は Roche の従業員の貴重な時間を解放しました。

  • 不適切な共有ファイルによるセキュリティ リスクの低減: Roche におけるデータの機密性に対する認識は、以前は従業員によってバラバラでした。現在は、ファイルに一貫性のある適切なラベル付けと分類がなされているため、従業員は機密情報や機密ファイルを適切に扱えるようになっています。

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AI 分類では、ファイルの編集者 / オーナー権限を持ち、ラベルに権限を適用できるユーザーは、AI が適用したラベルを承認または変更できます。

今後の展望

Google ドライブの AI 分類は、Roche のデータ セキュリティ ポスチャーをより強固なものにするための基盤作りに役立っています。効率化されたラベル付け手法は、データ セキュリティ規制の遵守を簡素化し、従業員がデータの取り扱いについて十分な情報を得た上で意思決定できるようにします。また、データの機密性をより明確に理解することで、Roche は今後さらに効果的なデータ セキュリティ管理を実施できるようになります。

Ehrhart 氏は次のように話しています。「ドキュメントにラベルを付けることは、驚くようなことではありません。ですが、標準化されたデータ分類ポリシーを持ち、AI を使ってプロセスを自動化することで大規模なラベル付けが可能となり、データ セキュリティとコンプライアンスにおいて今後さらに大きな成功を収めるための準備ができます。」

AI 分類は、Gemini Enterprise、Gemini Education Premium、AI Security アドオンでご利用いただけます。Gemini for Google Workspace の詳細無料トライアルを今すぐ開始する方法についても、ぜひご確認ください。

- Google Workspace チーム

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