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生産性とコラボレーション

組織が時間管理コーチングのアプローチを見直す方法

2022年8月19日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2022 年 8 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ビジネス リーダーがハイブリッドな業務モデルを評価するとき、従業員の生産性は最重要事項です。ビジネス リーダーは、生産性に対する組織のニーズと、自律性、柔軟性、ワークライフ バランスに対する従業員のニーズのバランスをとる方法を把握しようとします。私は Google のプロダクティビティ アドバイザーとして、生産的であることとはスマートかつ効率的に働くことであり、働きすぎることではないと、組織と従業員が認識できるように支援しています。生産性を高めるためのひとつの鍵は、時間管理のスキルを強化することです。

しかし、最近の調査では、働く人の 82% が適切な時間管理システムを活用していないことがわかりました。代わりに、リストを作成する、受信トレイを参照する、無計画で行動するといった作業を多くしています。その結果、21% の人が「業務を管理できていない、あるいは管理できているのは 1 週間に 1 日だけ」と答えています。

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誰もが異なる方法で働いており、ハイブリッドな業務の最も良い点のひとつは、自分のやり方と自分のペースで働けるようになることです。しかし、従業員が長期にわたって非効率的に時間を管理している場合、燃え尽き症候群のリスクが高まり、従業員の健全性、士気、生産性に問題が発生することがあります。

あらゆるハイブリッドな業務計画を効率的にし、チームを健全に保つためには、従業員が時間管理の能力を習得する必要があります。そのために、次の 3 段階のプロセスで従業員を支援できます。

  1. 現在、従業員が時間を管理している方法を把握する

  2. 時間管理の強みと改善の余地がある部分を特定するよう従業員に促す

  3. 従業員が時間管理の手法を最大限活用できるようにする

ステップ 1: 従業員の働き方を把握する

従業員が時間をより効率的に管理するのを支援する前に、従業員がどのように時間を使っているかを把握する必要があります。まず、従業員が生産的なワークフローを確立するのを妨げている可能性がある習慣を特定します。たとえば、勤務時間外に働きすぎている、または勤務時間の大半を会議に費やしている従業員がいるかもしれません。

このような情報は観察で得られることもありますが、最善の方法は直接聞くことです。従業員が時間を効率的に管理できていると感じているかどうかを確認するには、本人に確認してください。Google フォームなどのアンケート ツールを使って、次のような質問を記載した匿名のアンケートを配信できます。

  • すべての業務を終わらせるのに苦労していますか?

  • 独立して作業する時間が十分にあると感じますか?

  • アラートと通知によって、ワークフローが妨げれられる、あるいは向上することはありますか?

  • 有用性が最も高い / 最も低いと感じる生産性向上ツールおよびコラボレーション ツールはどのツールですか?

  • オンサイトおよびオフサイトで働くとき、同僚とどのようにコミュニケーションをとるのが最適ですか?

効率的な時間管理のための大きな課題のひとつは、会議が多すぎることかもしれません。チームが会議疲れに悩んでいるかどうかを知るには、会議に費やす時間が多すぎると従業員が感じているかどうかを尋ねる質問をアンケートに入れてください。Time Insights のようなツールを使って、具体的に答えてもらいましょう。この機能を使えば、従業員は自分が会議にどれだけの時間を費やしているのか、また毎週どれだけのサイレント モードをスケジュールしているのかを正確に確認して、アンケートに正確に回答できます。

匿名のアンケートを実施することは、時間管理の監査を始めるための優れた方法です。そこで得られた学びからは、職場とチーム内のパターンを特定できますが、従業員一人ひとりの働き方を明らかにすることはできません。それを知るには、従業員に直接聞く必要があります。

ステップ 2: 個人の活かすべき強みと改善の余地がある部分を特定する

チームの働き方について概要を把握したら、従業員一人ひとりの時間管理の方法と働き方のスタイルをより深く掘り下げていきます。この情報を使うことで、従業員が自分にとって有効な手法、あるいは有効でない手法を特定するのを支援できます。

従業員に、1 週間かけて自分の生産性パターンと時間管理の方法を観察するように提案してください。次の点を観察するようにすすめるとよいでしょう。

  • 1 日のうちの異なる時間、あるいは 1 週間のうちの異なる日の活力のレベル

  • 戦略的または事務的な業務など、従業員が好む業務の種類と、いつその業務をすることを好むか

  • 実際に作業する時間と業務に関するコミュニケーションに費やす時間がどのくらいであるか

  • グループ会議の最中とその後にどのように感じるか

  • 深い集中に費やす時間と、異なるタスク間の切り替えに費やす時間

組織でデジタルのタイムシートを使用している場合は、従業員は組み込みの自動時間追跡による分析情報を参考にして、時間をどこに費やしているか確認できます。それ以外の場合は、AppSheet のようなノーコード ソリューションを使ってカスタム時間追跡アプリを簡単に作成し、従業員がさまざまな職務に費やしている時間を計測できるようにすることが可能です。

全員が 1 週間の調査を終えたら、専用の会議を設定して、従業員の観察結果を一人ひとり一緒に見直します。この新しい知識を活用することで、お客様とその従業員は一人ひとりがいつ、どのように働くのが最良であるかを明確にし、改善の余地がある部分を特定します。これに応じて調整を開始できます。

ステップ 3: 従業員が時間管理の能力を発揮できるようにする

従業員の時間の使い方を明確にしたら、その従業員と一緒に個々に時間管理の手法を確立します。従業員を成功に導くには、どのような働き方が好きでも、強みを生かし、課題を補う機会を探してください。

ここで重要なのは、時間を生産的に使うための万能なソリューションは存在しないということです。朝一番に最も難しいタスクに取り組むのが好きな人もいれば、1 日の終わりにモチベーションが上がる人もいます。会話の中で考えるのが最善な人もいれば、ひとりで考えるのを好む人もいます。従業員が仕事のスタイルに合った時間管理の手法を確立できるようにするには、時間とツールを生産的に使う方法を決定する権限を持っていると従業員が感じる必要があります。

時間管理に関してはカレンダーが強い味方ですので、従業員にシンプルな機能を利用するように促してください。Google カレンダーを使うことで、全員がスケジュールを確認できます。共有カレンダーを見れば、同僚は互いにいつ連絡をとるべきか(または控えるべきか)がわかります。また、最も生産的に感じる時間帯に静かな時間を確保し、サイレント モードなどのツールを使って、業務に集中するのに必要な時間を確保するよう従業員に促すこともできます。

メールとチャットは重要ですが、意図的に使用しないと邪魔になることもあります。多くの人が朝一番にメールを開き、1 日中開いたままにして、頻繁に確認します。代わりに、お客様とその従業員が集中する必要があるときは、メールタブを閉じるか、Gmail の機能を使ってメールをスヌーズし、メールにスターを付けて、タスクを続けることを試みてください。チャットにも同じアプローチが適用できます。戦略的にチャットを確認して、深く集中する必要があるときは通知をオフにします。

最後に、新しい時間管理のスキルを習得してもらうために、チームと信頼関係を構築し、維持することを意識してください。定期的な確認のために Google Meet を使うことを決めた場合は、従業員と連携して、カレンダーの招待状内に直接会議の議題を作成し、共有している時間を効率的に使います。

成果よりもインパクトを重視する

ハイブリッドな業務によって、ビジネス リーダーは従業員の時間管理に対する考え方と、生産的であることの意味を考え直す機会を得ました。注意すべき点は、効率的な時間管理のスキルを習得する目的は、必ずしも効率性を高めて業務量を増やすことではないとういうことです。多くの場合、一歩引いてみることで働き方をシンプルにし、インパクトを高めることにつながります。従業員に個々の時間管理システムを作成させることで、従業員は満足度と健康を高め、組織への貢献度も高まると考えています。


- Google エグゼクティブ プロダクティビティ アドバイザー Laura Mae Martin
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