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生産性とコラボレーション

適応力の高いビジネスを構築するための日々のイノベーションの促進

2022年8月24日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2022 年 8 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

イノベーションは多くの場合、競争上の優位性を高め、新しいプロダクトを開発し、既存の枠から飛び出すことで、大きな成功へとつながります。ただし、ほとんどの場合、こうした成功は小さな進歩の積み重ねによって実現します。この進歩は、組織が定期的にクリエイティブな思考のための時間を捻出して、さまざまなプロセスを試し、コラボレーションのためのテクノロジーを導入することで達成されます。

このようなイノベーションへのアプローチは、従業員の好奇心を高め、業務効率を向上させ、ビジネスの弾力性を高めるような働き方を継続的に探究することによって組み立てられます。常にチームがこれまでにない試みに挑戦するよう奨励されていれば、新たな発見が生まれ、生産性が向上するため、組織は予期せぬ課題を解決し、新しいビジネス チャンスを作り出すことができます。

イノベーションを日常的な慣習として捉えることで、一朝一夕で成り立たつものではないということにも気付かされます。むしろ、イノベーションとは私たちが意識的に開拓し、時間をかけて育てる必要のある組織の習慣なのです。

正しい考え方、組織文化、ツールがあれば、チーム(特に分散しているチーム)は、ビジネスを成長させるブレークスルーを確実に起こせます。そして、知識の共有、コラボレーション、新たな試みをサポートするリソースを用いて、従業員自身の手によってクリエイティブで生産性の高い職場を作るイノベーション文化を生み出すことができます。

イノベーションが育つ環境づくり

最終的には、イノベーションを日常的な慣習として取り入れる最適な方法は各組織が決定する必要があります。ただし、開始点として取り入れることのできる、新しい考え方と働き方を支える組織文化を作るための価値があります。

まずは、心理的安全性が感じられる空気を作ることです。従業員やチームがイノベーションで必要となる冒険ができるようにするには、発言し、質問をして、間違いを犯しても安心だと感じられる必要があります。そのために、従業員に好奇心を存分に追究させ、理解できないことを尋ねるよう促します。試行錯誤は新たな視点を育み、新たなプロセスを開発する要因となるため、仮説を試す際には失敗がつきものであるとも伝えます。そして、失敗は許されるだけでなく、学びや新たな理解につながる場合は高い価値があることをチームに強調します。

また、イノベーションとインクルーシブであることは密接に関連するため、多様な視点を受け入れ、チームの意見を聞くリーダーやマネージャーに投資します。従業員は、自分の意見を聞いてもらえたと感じると「イノベーション創出力への貢献度が 3.5 倍高まります」。しかし、意見を聞くことだけではまだ道半ばです。多くの場合、革新的なアイデアからブレークスルーが生じるには、リーダーがもうひと押しする必要があります。Patricia Satterstrom 氏、Michaela J. Kerrissey 氏、Julia DiBenigno 氏が Harvard Business Review で強調したことによれば、組織は「voice cultivation(意見の育成)」を支えることで、優れたアイデアを強化できます。彼らはこれを「権限が弱いチームメンバーが発言したアイデアを現実のものにするために従業員が協力し合う、集合的かつ社会的プロセス」と定義しています。組織の革新性をより高めるには、上級管理職に部下の貢献を大きく育てるように奨励します。

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「How virtual collaboration can help build a better working world」EY、2022 年 2 月 8 日

この考え方は、組織全体でイノベーションを育むためのもう一つの推進要因に関連しています。それは、異なるチーム構造を試すことに前向きであることです。ビジネス運営の多くは円滑に機能するための管理層を必要としますが、アイデアの検討といったクリエイティブなプロセスでは、よりフラットな体制が役立つ場合があります。誰もが優れたアイデアを思いつく可能性があります。ですから、すべてのレベルの従業員で構成される、部門横断的なイノベーション委員会を作り、全社的なブレインストーミング活動を主導します。あるいは、若手従業員のために「オフィスアワー」を設けて、上級管理職のチームメンバーに新しいアイデアを伝えられるようにします。

最後に、イノベーションは、人々が互いにつながり、コラボレーションできる環境で発展します。ハイブリッドなワークフォースに、最も効果的にチームに貢献し、コラボレーションできるようにする、シームレスで安全なテクノロジーとツールを提供してください。チーム ビルディング演習などの機会を設けて、従業員がチームメイトや他部門の同僚との関係を深められるようにします。結局のところ、誰かと親しくなるほど、クリエイティブなアイデアや型破りなアイデアを交換し、一緒に追究しやすくなるからです。

イノベーションを実践に移す

安全性、インクルーシブであること、コラボレーションといった組織の価値を育むことは、イノベーションを日常的な慣習に組み込むための第一歩です。組織のイノベーション力を鍛えるために、チームが毎日創造力を発揮できるようにする、次の演習とツールを利用してみてください。

初心を思い出してください。好奇心は学習可能なスキルです。従業員(と皆様自身)が心の声を聞いて、「なぜ」や「どうやって」と聞きたい本能を活かせるよう働きかけてださい。

  • イノベーション専用のブレインストーミング演習を定期的に主催し、進行します。特定のトピック専用のセッションと自由なディスカッション用のセッションを設けることもできます。リアルタイムで作業するための Google Meet や、継続して段階的に会話を進めるためのスペースなどのオンライン ツールを利用すれば、ハイブリッドな勤務形態で働く従業員がどこにいても参加できます。

  • 採用候補者の好奇心を審査し、人事評価に「好奇心フィルタ」を組み込みます。Google フォームを使用して、採用チームと部門マネージャーが、候補者の好奇心、創造性、新しい試みに対する意欲を評価するためのアンケートを作成します。

毎日少しずつ試していきます。特に、テクノロジーを新しい方法や従来の方法を拡張したやり方で使用するよう奨励することは、従業員の創造性を高めるのに役立ちます。

  • 知識共有セッションを開催するか、従業員が職場のテクノロジーやツールを最大限に活用するためのヒントとベスト プラクティスを共有できるチャット スレッドを作成します。

  • ビジネスの問題に最も近い従業員に、解決策を考えるよう依頼します。AppSheet を使用すれば、コード不要のモバイルアプリやデスクトップ アプリを構築し、ワークフローの自動化、コラボレーションの促進、職場におけるその他のタスクの簡略化を図ることができます。

自分に適したタイミングでイノベーションに集中するよう従業員に促します。この種の作業では通常、個人で静かに集中する時間と、グループでの共同作業の両方が必要です。どちらのタイプの作業を好むかは、従業員の日常の作業負荷とスケジュールによって異なるため、イノベーション作業にいつ、どのように取り組むかは、従業員に自由に決めさせます。

  • トレンド調査や概念開発などのイノベーションにつながる活動に専念するために、Google カレンダーのサイレント モードを使って、特定の時間をブロックすることを従業員に推奨します。

  • チームが、個人作業と共同作業、またリアルタイムのコラボレーションと段階的なコラボレーションに役立つ、好みのツールを見つけられるようサポートします。JamboardGoogle Meet の Miro などのインタラクティブ ツールを使用すると、リアルタイムの作業セッションがはかどります。専用のイノベーション スペースを設けると、各人がそれぞれ都合のよい時間に参加できます。

反復的アプローチを導入します。クリエイティブ文化の構築には時間がかかります。またこれは、新製品の作成によく似た、複数の段階に分けて継続的に行われるプロセスです。まず、創造性を発揮するための慣習を取り入れます。良いアイデアが出揃ったら、発展させるのに最も適したものを選びます。最後に、それらのアイデアをテストし、実行に移して、得られたデータとユーザーからのフィードバックに基づいて微調整します。成果が出ている場合は、洗練させ、拡大します。成果が出ない場合は、損失を切り捨てて、失敗から学ぶべきときでしょう。同じ手法を日常的なイノベーションにも応用できます。ある発見が組織全体に利益をもたらす場合もあるため、個人が追究しているクリエイティブなアイデアを定期的に調べて、組織の標準的な慣習とするべきブレークスルーがないかを確認してください。

今がそのとき

新しい試みに挑戦し、イノベーションを起こす組織文化を育むには、努力、忍耐、将来へのビジョンが必要です。これは大仕事であるように感じるかもしれませんが、今こそが取り組むべきときです。ハイブリッドな勤務形態の革命のおかげで、ビジネス リーダーは、より強力で適応力の高いビジネスを構築するために、働き方、コラボレーションの方法、イノベーションを起こす方法を考え直す機会を得ました。創造性を支え、日々のプロセスやツールでの試みを奨励するといった、日々のイノベーション習慣を組織で育むための小さなステップを時間をかけて積み重ねることで、最終的に組織を変革する結果を生むことができます。



- Google Workspace エンジニアリング担当バイス プレジデント Philip Brittan
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