Google スプレッドシートの計算速度が 2 倍になり、さらに新たなイノベーションが追加
Eric Birnbaum
Group Product Manager, Google Sheets
※この投稿は米国時間 2024 年 6 月 27 日に、Google Workspace blog に投稿されたものの抄訳です。
スナップショット: 初心者であっても、経験豊富なユーザーであっても、Google スプレッドシートでのデータの書式設定、計算、管理をより簡単かつ迅速に行えるようになりました。本日は、日常業務から複雑なプロジェクトに至るまで生産性を高めるのに役立つ Google スプレッドシートの最新機能をお知らせします。
「Google スプレッドシートは私たちが好んで使っているスプレッドシート アプリケーションで、データに基づいた意思決定を促進する、リアルタイムな共同作業ソリューションです。」 - Robinhood、コーポレート エンジニアリング戦略的オペレーション責任者、Chris Montfot 氏(ブログを読む)
Google スプレッドシートでの計算速度が 2 倍に
スムーズ スクロールの追加やセルの上限の引き上げなどの更新に続いて、Google Chrome および Microsoft Edge のブラウザ上で使用される Google スプレッドシートの計算速度が 2 倍になりました。これにより、数式の実行、ピボット テーブルの作成、条件付き書式の利用などがさらに快適になります。収益を分析する中小企業の経営者や、数百万個の値を管理する財務リーダー、あるいは商品ラインの最新の注文を確認するブランド マネージャーなど、誰もがデータの変更がすぐに反映されることを望んでいます。こうした期待に応え、ファイルのサイズや実行する計算の種類(単純な SUM 関数や複雑なクエリなど)に関わらず、高速な計算ができるようになりました。
このパフォーマンス向上の取り組みは Google Chrome チームと連携して行われ、Edge ブラウザ上の Google スプレッドシートでも高速な計算ができるようになりました。将来的には Safari および Firefox での計算速度も改善される予定です。今回の計算速度の向上は、コードを高速で実行できる新しいウェブ テクノロジー WasmGC によって実現しています。Google のエンジニアリング チームが具体的にどのようにして計算速度の向上を実現したかは、こちらのケーススタディをご覧ください。Google は他にも、Google スプレッドシートの機能を改善する新しい方法を常に検討しています。たとえば現在、初期読み込み時間の短縮をはじめ、コピーと貼り付けおよびフィルタのパフォーマンスの改善に取り組んでいます。
Google スプレッドシートの作成を素早く始めるための新しい機能
Google スプレッドシートでは、データの整理もさらに簡単になりました。どんなにデータの扱いに慣れていても、スプレッドシートをゼロから作成するのは大変な場合が多いです。スムーズに作成を始められるように、Gemini for Workspace に新しいサイドパネルが追加されました。このサイドパネルでは、Gemini とチャットしながらコンテンツの要約、分析、生成ができます。Google スプレッドシートでサイドパネルを使用すると、メールやドキュメントなどからのインサイトを活用し、コンテキストに合わせて関連性のあるスプレッドシートを構築したり、作業対象のスプレッドシートを自動要約したりできます。
Gemini in Google スプレッドシートのサイドパネルを使用すると、表作成およびデータの追跡と整理ができます。
「さらに、データ整理サポートによって、キャンペーンの計画段階をスピードアップできました。『春の商品リリースに向けたフルファネル マーケティング キャンペーンのプロジェクト計画を作成して』といった簡単なプロンプトを入力することで、プロジェクトを開始するための最初の計画案を Google スプレッドシートで生成できます。」- Adore Me、戦略担当バイス プレジデント、Ranjan Roy 氏(ブログを読む)
また、Google は最近、データ整理の出発点として使用できる書式設定済みの表も発表しました。この表を使うと、プロジェクト管理やイベント計画、在庫管理など、どんな目的であっても、スプレッドシートをゼロから作成する必要はありません。
Google スプレッドシートの書式設定済みの表には、複数のオプションがあります。
Google スプレッドシートのデータの書式設定、管理を迅速に行う機能
新しい表機能によって、Google スプレッドシートでデータを簡単に構造化して整えられるようになりました。データの書式設定や整理といった面倒な作業はスプレッドシートに任せましょう。表に変換することで、列の種類、フィルタ、色分け、プルダウン メニューなどの書式設定や配置を綺麗に行えます。このため、応募者のデータを管理する採用担当者、キャンペーンの立ち上げトラッカーを構築しているマーケター、あるいは進行中のオポチュニティのさまざまな段階を追跡している販売担当者であっても、表内のすべての入力データが自動で整合されるため、手動調整の負担が減ります。さらに、表に入力されるすべてのデータは、選択した列の種類に適した形式で表示されます。
Google スプレッドシートの表を使って既存データに書式を設定して整えられます。
プロジェクト管理をカスタム アラートで改善する
Google スプレッドシートの利用が好まれる理由は、チーム全体が 1 つのスプレッドシート上でスムーズに共同作業をできるからです。チームは常に Google スプレッドシートを使用して、複雑なプロジェクト、予算、スケジュールなどを追跡します。しかし、頻繁に発生する変更を常に把握するのは難しく、コラボレーションに関わる人が多ければなおさらです。そこで Google が導入したのが条件付き通知です。この機能により、特定の条件が満たされるとメール通知アラートを送信するというルールを、スプレッドシートで作成できるようになります。たとえば、「ステータス」列などの特定の列の値が変更された場合、通知が送信されるように設定できます。条件付き通知は、Google スプレッドシートでの自動化機能のほんの始まりにすぎません。
設定した条件付き通知に基づいて、メール通知アラートが送信されます。
お客様のために変化を促進する
キャンペーン計画の合理化からリアルタイムのコラボレーションの促進まで、Google スプレッドシートの機能とその広い活用範囲により、チームは作業場所を問わず生産性を上げることができます。AI が組み込まれた Google スプレッドシートは、スプレッドシートの基本的機能を超えた、プロジェクト管理の強力なツールとなるため、戦略的な意思決定を可能にします。
「以前はプロセスのどの段階にあるかを追跡するのは困難でしたが、Google スプレッドシートのデータ整理サポート機能という奥の手で、比類のない柔軟性を備えた段階的プロセスを設計できるようになりました。今では、1 か所で計画、トラッカー、タイムラインを構築および整理し、リアルタイムで最新の状態に保つことができます。」- Attache、オーナー兼社長、Tim Touchette 氏(ブログを読む)
すでに、テクノロジー、輸送、小売、医療などの業界で、非常に多くの組織が Google スプレッドシートを活用してビジネスまたはミッションを推進されています。お客様からは、Google スプレッドシートによって従業員の生産性が向上し、重要なビジネス イニシアチブに関する意思決定が加速したという声が毎日のように寄せられています。Google は今年以降も、Google スプレッドシートにさらなるイノベーションをもたらす取り組みを進めてまいります。
詳しい最新の更新内容を確認して、ぜひ Google スプレッドシートの利用を始めてください。
- Google スプレッドシート担当グループ プロダクト マネージャー、Eric Birnbaum